報告書を読み漁ってキャッチアップ

そうした中で私が女性社員であることを強く意識した時期を挙げるとすれば、やっぱり結婚後に産休と育休を取ったときです。

1年間取得した育休中はとても不安でした。車の開発は世界的にもスピードが速くなってきていて、1年間のブランクがあるとやり方そのものが変わってしまうこともあります。内装の分野がまさにそうであったように、以前は重要視されていなかった箇所が重要になっていることもあるでしょう。

だから職場に復帰してすぐは、過去1年間の報告書の束を読み漁ったり、周囲に状況を聞いたりして仕事の雰囲気を取り戻すのに必死でした。時短勤務という選択もありましたが、私は一度やり始めるとのめり込むタイプなので、復帰するのであればしっかりと仕事をしたいという気持ちがありました。それに時短勤務で思いっきり仕事ができないことを、制約があるのは子供がいるからだと子供のせいにしてしまうのは嫌だったのです。

同じ業界で働く夫からも「仕事を続けてほしい」と言われていましたから、夫婦で月の初めにスケジュールを調整し合って、残業できる日、できない日をあらかじめ調整しています。子供が熱を出したような日は、午前中と午後で調整し合っていますね。