生活が厳しくなるときこそ先取り貯蓄

とうとう消費税が5%から8%に上がってしまった。この3月に、欲しかったコートやバッグをあれこれと買い込んだ春美さん(34歳)は今、決意を新たにしている。

「今月からは節約して、月末になったら余ったお金をしっかり貯金しよう!」

春美さんの決意には大賛成。消費税は来年10月からさらに2%増税されて10%になる予定だし、それでなくても政府の目論みどおりに物価は着々と上がっている。これって、「インフレの足音が聞こえる」っていう感じ!? 給料を上げる会社も増えてはいるものの、物価上昇分をカバーできるほど給料が増えるとはとうてい思えない。ここは財布のヒモを引き締めて、将来への備えを固めることが大切だ。

ただ、春美さんのように「月末に余ったお金を貯金しよう」とは考えないほうがいい。給料がそう増えないのに物価はだんだん上がるのだから、少しぐらい節約しても月末には「やっぱりお金が残らなかった」となるのは必至。そこでお勧めしたいのは、頑張らなくてもお金が貯まる仕組みをつくること。その方法は「先取り貯蓄」だ。

先取り貯蓄とは、給料から貯蓄分をあらかじめ引いて積み立てていく方法のこと。毎月振り込まれる給料は、すでに貯金を引いた後の金額なので、全部使っても大丈夫。こうした強制的に貯める仕組みをつくらないと、ここから貯金を増やすのは難しい。先取り貯蓄の方法のうち、特に会社員に最適なのが「財形貯蓄」だ。