「だらしない人」と思われる服の特徴
カジュアルウエアは自宅で洗える場合が多いが、グッチやルイ・ヴィトンなどのハイブランドのTシャツなどは、一部に革、顔料プリントなどが使われていて、家で洗うのは難しい場合がある。またスパンコールなどの飾りがついた衣類も、クリーニングに出したほうがダメージを受けるリスクが少ない。基本的に、洗うと型崩れするリスクがある衣類はクリーニング店に出したほうがよい。
虫食いに遭いやすい衣類は、柔らかいカシミヤやシルク、カビやすいのは革製品と天然素材である。ただ、ブランド物を含め革製品の裏地は、重量を減らす目的もあって合成皮革が使われている。合成皮革は長く放置していると、劣化し湿気でベタつく可能性がある。
また、革製品など厚手の衣類やベルトがカビていたら、表面的には家庭での拭き洗いで落としたように見えても奥に残ってしまい、湿度・温度・無風の環境が整えば、再びカビが増殖するリスクは高い。クリーニングに出して生地の奥までしっかり洗浄し、除菌することをお勧めする。
また、外干しや西日が入る部屋に吊るした衣類は、日に焼けて色あせすることがある。日の当たった部分だけ色あせた衣類を着ると、「だらしない人」と思われてしまいがちである。それをできるだけ避けるには、衣類は裏返して干し、西日が入る部屋の場合は、日が当たらない場所に衣類を収納しよう。
特に日焼け・脱色・変色しやすい素材は、シルクやナイロン。この黄ばみや色あせを直すことは難しい。染めを受けつける業者もあり、料金はかかるが、黒や紺など濃い色にしリメイクすることもできる。
セーターの毛玉がどんどん取れる台所アイテム
セーターは、毛玉が多いとだらしなく見える。「毛玉は着用中の摩擦で発生します。脇の下、リュックやバッグが当たる部分、アクセサリーが擦れる部分、衣類同士が擦れる部分など。ウールやカシミヤなどの毛が柔らかくもろい天然素材は、ブラッシングすれば摩擦でかんたんに取れる場合があります。一方、アクリルやポリエステルなど比較的丈夫な糸である化学繊維は、毛玉が残りやすい傾向があります。特に難しいのは他の色の衣類の繊維も絡まった毛玉で、毛玉カッターなどで切り取るしかない。それ以外のしつこい毛玉は、台所用のスポンジでこすり取る方法もあります。ざらつきがあるスポンジの裏面は、より強力です。クリーニング店に頼むこともできますが、作業に手間がかかるので料金は高くなります」と田村さんは解説する。
ただ毛玉は取り過ぎると生地が薄くなる、穴が空くリスクがある。生地が薄くなり過ぎたセーターは、処分のタイミングかもしれない。他にも、ニオイが残って取れない、合成皮革がベタつく・剥離したもの、ニットが伸びた・縮んだ、大きく変色したといった状態は、プロもお手上げの場合が多い。お気に入りの衣類でも、処分を考えたほうがよいだろう。
これまでに書いたポイントをまとめてみよう。「仕事ができる人」と思ってもらえるように、衣類をよい状態に保つには、風通しをよくして湿気やカビ、虫食いを避ける、日光に当たり過ぎないよう気をつける、シミをつけてしまったらすぐに対応することが大事である。
シーズン終了まで洗う機会がほとんどないスーツやジャケット、セーターやカーディガンは、着たらブラッシングするとよいだろう。汗をかいたときは一晩室内に干して湿気を十分とり、朝になってからクローゼットなどに収納するとよい。
人に好感を与えビジネスの成功に結びつく服装を心がけることは、同時に衣類を長持ちさせ、心地よく過ごすための秘訣でもある。
1968年生まれ。兵庫県出身。くらし文化研究所主宰。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。著書に『母と娘はなぜ対立するのか』『昭和育ちのおいしい記憶』『昭和の洋食 平成のカフェ飯』『「和食」って何?』(以上、筑摩書房)、『小林カツ代と栗原はるみ』『料理は女の義務ですか』(以上、新潮社)、『パクチーとアジア飯』(中央公論新社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)、『平成・令和食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)などがある。