一流がメッセージに付け加える「ひと言」

しかし、社交上手なエリートたちであってもその場では「フォローします」とは言ったものの、翌日の忙しさのために名刺の束を見ながら「この人、どこで会ったんだっけ?」と首をかしげることがあります。そうしたことを防ぐには、名刺の裏に即座にメモを書いておくといいでしょう。日付、場所、会話の要点を走り書きし、後でデータ化すれば検索ですぐ引き出せます。これだけでもフォローの精度が格段に上がります。

ビューカー清美『世界一流の社交術』(アルク)
ビューカー清美『世界一流の社交術』(アルク)

さらには、ただ「お会いできて嬉しかったです」「ありがとうございました」というありきたりな内容で終わらないことです。一流とされる人たちは、ここでも具体的な成果を添えて報告します。

「昨日お話しいただいたプロジェクトの件、同僚に確認しました。次回お見せできそうです」
「ご紹介いただいた方に早速連絡しました。来週アポイントが取れました」
「今年の冬、日本の秋田県に行かれる際に、この温泉をお勧めします」

こうした一文があるだけで、相手は「会話が実際の動きに変わった」と実感できます。

また、仮に48時間を過ぎてしまっても、連絡をしないよりはましです。関係に義務や期待がない時期だからこそ、その声かけは純粋な関心として相手の記憶に残ります。後になって相手が「いつも気にかけてくれていた人だ」と思うことが関係を前に進める力になります。

ビューカー 清美(びゅーかー・きよみ)
在米国日本大使館 ソーシャル・セクレタリー

メリーランド・ノートルダム大学(Notre Dame of Maryland University)卒。1994年、世界政治の中心地ワシントンDCにある在米日本大使館・儀典班(プロトコール)に現地採用される。ソーシャル・セクレタリー補佐、大使特別補佐、副ソーシャル・セクレタリーを経て、2000年より現職。30年以上にわたって要人接遇のほか、国家行事や外交レセプションの企画・運営に従事。これまでに計9人の駐米日本大使と大使夫人の下で勤務する。経験豊富なプロトコール実務家として知られ、2018年には「サロニエール100(The Salonniere 100)」において、全米の社交界で活躍する100人に選ばれる。