「再改正」で愛子さまの即位は可能か
今回の改正では、現在の上皇が退位したときに問題になった、譲位の規定も盛り込まれず、十分な検討さえされなかった。再改正を行うとすれば、そうしたことも含め抜本的に見直さなければならない。
最も重要なのは、皇位の継承を男系男子に限るのではなく、「長子優先」に改めることである。
その際に、二つの考え方がある。一つは、今上天皇の後、秋篠宮から悠仁親王へという現状の皇位継承の順については変えず、その後の世代からそれを適用するという方法である。もう一つは、今の世代から適用する方法である。
つまり、制度を改める際には、現在の皇位継承順位を維持するかどうかが問題となる。現在の順位を維持し、新制度を次の世代から適用するのであれば、愛子内親王の即位への道は開かれない。
ここに「法の不遡及」という考え方がある。これは、「法の効力は施行前の事実にさかのぼって適用されない」という原則である。ただし、すでに誕生している皇族の将来の継承順位を変更することが、直ちにこの原則に反するわけではない。新制度をどの世代から適用し、現在の継承順位をどこまで維持するかは、改正内容や経過措置によって定めることになる。
だから「愛子天皇」も、可能なのだ。
弟から姉へと継承順位を変えた国の決断
実際、1980年にスウェーデンでいち早く、男女を問わず長子が王位を継承する「絶対的長子相続制」が導入されたときには、すでに誕生していた王女ヴィクトリアにも新制度が適用された。それまで継承順位第1位だった弟のカール・フィリップに代わり、姉のヴィクトリアが第1位となった。
息子が王太子の地位を失うことに、国王カール16世グスタフは異議を唱えたものの、王位継承にも男女平等を取り入れる形で、絶対的長子相続制へと改正された。国王もその後の声明で、娘のヴィクトリアが自らの後継者であることへの支持を明言している。
スウェーデンでは、王位継承のあり方は、憲法を構成する基本法の一つである王位継承法によって定められており、その変更は議会の議決によって行われる。王家が決めるわけではないのだ。
日本でも、皇位継承が憲法と法律によって定められる点は共通している。天皇の地位は憲法によって定められたもので、国民の総意に基づくとされる。皇位の継承についても、国会の議決した皇室典範の定めによるとされている。
実はそこに、先例さえある。