「女性差別」である改正皇室典範
日本で初めての女性の首相が誕生したのは、2025年10月21日のことだった。
高市早苗衆議院議員が第219回国会の内閣総理大臣指名選挙で勝利を収めたからである。その後、衆議院議員総選挙が行われ、自民党が大勝したことで第2次高市内閣が誕生し、2026年9月17日には内閣改造も行われた。
戦後、選挙権と被選挙権が女性にも与えられてから80年が経ち、政治の分野における「ガラスの天井」は、こうして突き破られたのである。
ところが、高市政権の下で行われた皇室典範の改正は、男女平等の観点からは、まったく時代に逆行するものとなった。男系男子での継承が前提とされ、そのために、旧宮家の男系男子を皇族の養子として迎えることが可能になった。
養子が男子に限られる点で、明らかに「女性差別」である。
しかも、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持できる一方で、配偶者や子どもは皇族とは認められない。男性皇族と結婚した配偶者やその子どもが皇族になるのと異なり、ここでも男女平等に反している。
首相と天皇では、地位の決まり方が異なる。それでも、性別を理由に皇位継承の資格を認めない制度を、いったいどう考えればよいのか。
「ジェンダーギャップ」世界117位の日本
そんななか、世界経済フォーラムによる「ジェンダーギャップ報告書」が発表された。
これは、世界各国において男女平等がどれだけ進んでいるかを示した指標である。今年の日本は145カ国中、なんと117位だった。ガラスの天井は破られたはずなのに、前年から順位を1つ上げただけだった。
その日本で、10月24日には改正皇室典範が施行される。女性首相が誕生しても、女性が天皇になる道は閉ざされたままである。
ただ一方で、皇室典範の改正では実現しなかった女性天皇や女系天皇を容認する声は、国民のあいだで、これまで以上に高まっている。
日本経済新聞社とテレビ東京が7月24日から26日に実施した世論調査では、「女性天皇も女系天皇も認めるべきだ」が59%で最多となり、「女性天皇だけは認める」を加えると、合計で84%を記録した。
女性も首相になることができたのに、なぜ、天皇は女性ではだめなのか。
女性首相が誕生したことで、そうした声はかえって高まっている。再度、皇室典範を改正し、次には愛子内親王に天皇に即位してもらいたい。そんな提言も行われるようになってきた。