タイミーの対応は「いいとこどり」
その日のうちに給料が入る即日払いは、多くのスキマバイトワーカーにとって最大の魅力だ。タイミーはこれにより、市場を拡大し、利益を上げてきた。
原告のBさんは「(登録者増につながる)即日払いは引き受けるけど、未払い賃金をめぐるトラブルは『ワーカーと企業の問題』と責任逃れをするのはどうなのか。それではただの“いいとこどり”です」と訴える。
原告側はこのほかの争点に労働契約の成立時期とプラットフォーマーとしての注意義務を挙げている。
労働契約の成立時期に関して、タイミーはスポットワーク協会と同じく2025年9月、マッチングした時点とするよう規約を変更したが、原告側はそれ以前についても同様に「マッチング時点で労働契約は成立していた」と主張している。
またプラットフォーマーとしての注意義務について、原告側は「タイミーは単なるマッチングの仲介役ではない」と指摘。アプリの仕組みを自ら設計し、労働条件通知書の発行や賃金の立て替え払い、就労管理などを一元的に担うことで多額の手数料を得ている以上、企業による一方的キャンセルを防ぐ信義則上の義務があったとしている。
安易にキャンセルできる仕組みをつくった責任
牧野弁護士は集団訴訟の意義や目的について次のように述べた。
「一部の企業の順法意識にも問題はありますが、企業もキャンセルできる仕組みがあったからキャンセルをしたとも言えます。市場の中核的プラットフォーマーとして、その仕組みや構造をつくった責任がタイミーにはあるのではないでしょうか。スポットワークのキャンセルがどこまで許されるのか、この裁判でしっかり線引きしてほしい」
タイミー側は7月2日、東京地裁で開かれた第1回口頭弁論で請求棄却を求めた。取材に対し、「今後、裁判を通して当社の見解を主張するなど適切に対応していきたい」(タイミー広報)と回答した。次回期日は10月29日の予定。
取材で話を聞いた原告たちは「裁判は自分の未払い賃金を払わせることだけが目的ではない」と口をそろえる。そのうえでAさんが原告9人の思いをこう代弁した。
「未払い賃金の請求はできるんだ、してもいいんだということを、泣き寝入りしている多くのワーカーたちに知ってほしい」
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