移民問題に頭を悩ませるヨーロッパ

1960年代のドイツは今の日本のように「人手不足解消」を目的に「Gastarbeiter」(ガストアルバイター)という外国人労働者を大量に受け入れた。「Gast」というのは「客」のことで、ドイツ側としてはあくまで「労働契約満了後に帰国するお客さん」と考えていた。

しかし、この政策でドイツ入国をした外国人労働者はそんなつもりはさらさらない。右肩あがりで増え続けて、家族も呼び寄せて今では高齢者になって年金や生活保護をもらっている。「客」がいつの間にか「移民」として定住したのである。

「お金目的でやってきたわけだから、お金を払ってお引き取り願ったら」というのも効果はない。移民が深刻な社会問題になって抑制策を進めているスウェーデンでは、移民の自発的な帰国を促すために帰国支援金を大幅に増額して、最大35万クローナ(約500万円以上)にもなった。これは裏を返せば、一度その国で生活基盤を築いた移民は、金を積まれてもなかなか帰国をしないということでもある。

欧州連合(EU)の旗と人々の影
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「闇落ち」で治安が悪化してしまう

さて、こういう「世界の現実」を踏まえれば、2030年から2040年にかけて日本でも今の欧州のように移民問題が深刻化していくことはほぼ間違いない。そうなると、希望する仕事に就けなかった一部の日本人が「外国人に職を奪われた」などと叫び始めて、外国人ヘイトが本格的に広まってしまう。

そういう排他的な社会になると、日本で暮らしている外国人労働者側の中には、望むような仕事、望むような賃金が得られなくなる人も現れてしまう。すると必然的に、日本の治安も悪化していく。

外国人労働者というのは、日本の事業者が安く雇用できるように「貧しい若者」が多いからだ。

「貧しい若者」は犯罪率が高いというのは、世界中に見られる傾向だ。金に困って違法ビジネスや窃盗や強盗に走りやすいことに加えて、犯罪組織の「使い捨てのコマ」になりやすいからだ。例えば、2024年8月以降、警察当局が捕まえた「闇バイト」強盗の容疑者56人の属性を読売新聞がまとめたところ、10代が7人、20代が37人と20代以下が8割を占めている。

日本人失業者との競争や、差別や偏見によって、外国人労働者がこれまでのように稼げなくなった時、「貧しい外国人の若者」の中には闇堕ちをしてしまう人もいるはずだ。