カーテンの柄について話し合えるか

人の話をちゃんと聞けないバカと結婚したら悲惨ですね。結婚は生活のほぼすべてを共有するので、真剣に(深刻に、ではありませんよ)話し合わなければならないテーマが無数にあります。カーテンの柄をどうするか、今夜食べたいもの、今週末の過ごし方、親兄弟との関係、未婚時代の友だちとの付き合い方、お金の使い方、仕事の悩み、などなど。子どもができたら話し合いのテーマは倍増することでしょう。

結婚相手といえども他者なので価値観や意見に違いがあって当然ですよね。むしろその違いを面白がり、自分の欠陥を補ってくれるかもしれないと思うべきです。

しかし、まともにコミュニケーションができなければ違いを楽しむことも補い合うこともできません。言い知れぬ不満を抱えたまま、お金と家事を交換するだけの仮面夫婦になってしまいます。

最も近くにいて一度きりの人生を分かち合うはずの男性と、本当の意味での会話ができない悲しみと喪失感。そんなものを味わうぐらいなら一生独身でいたほうがマシだと思う女性がいても不思議ではありません。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/