「書き写す」→「解く」の反復
計算ドリルを解く場合も、体の動きを取り入れるようにする。計算練習を嫌がる子供に私がやらせるのは、まずその計算問題をノートに書き写すこと。このとき、10問全部を一気に書き写させると、子供が飽きていい加減になる。そこで、まず1問書いて、1問解かせる。これを10問くり返す。
慣れてきたら、「できるだけ少ない回数で問題を見て書き写してみて」と言ってみる。ある程度のまとまりで数字を記憶しておくこと、すなわちワーキングメモリーを鍛えることは、算数を解く上で非常に重要だからだ。そうやって、「問題を書き写す」→「解く」→「書き写す」→「解く」をくり返すと、あっという間に時間が過ぎる。1年生なら10分、2年生なら20分、3年生なら30分、集中力が続くようになる。
好きな教科は子供に任せ、苦手な教科をサポート
高学年になると、少し対応が変わってくる。普段は集中力が続かないけれど、「これだけは続く」というものが出始めてくるからだ。例えば、算数は相変わらず集中力が続かないが、得意な社会になるとものすごい集中力を発揮する、なんてことが起こる。大人でもそうだが、自分の好きなことや興味のあることに対しては時間を忘れて没頭できるもの。集中力の維持と「好き・嫌い」は深く関係している。
子供が好きな教科は子供に任せて、思う存分やらせてほしい。この時期の熱中体験が自分なりに問いを立て考える試行錯誤力を育むからだ。
一方、苦手な教科に関しては、低学年の子供に対するアプローチと同じように、「読む」「書く」といった体の動きを通した学びを細切れに行い、目先を変えて集中力が続くように促すことだ。
もう一つ、知っておいてほしいことがある。子供の集中力は、単に落ち着きがない、飽きっぽいなど、気分の問題で片付けられてしまいがちだが、実は勉強の理解度が大きく関係している。私が中学受験の指導を通じて感じているのは、今、目の前にある状況や問いが理解できなくて、どうしていいのか分からなくて気持ちが入らないというケースが多いことだ。

