日経の厳しい論評に政府側が強く反発

最近、高市政権と日本経済新聞社との間で、ちょっとしたいざこざが起きています。

象徴的なのが、日経が主催する国際会議「アジアの未来」を巡る総理の対応です。この会議は、アジア各国の首脳や日本の歴代首相が顔をそろえ、挨拶や演説を行う非常に格式のある場です。開催国のリーダーが出席するのは外交上の国際的なマナーであり、常識といえます。

ところが、高市総理はこの「アジアの未来」に今年は出席しませんでした。それどころか、ビデオメッセージの提供すら拒否したのだそうです。過去に例を見ない事態です。

さらに、日経がサイバーセキュリティをテーマにした大型イベントにも、政府高官が参加できないとのこと。

※国際会議「アジアの未来」とサイバーセキュリティ関連イベントについて、事実関係を日本経済新聞社に問い合わせたところ、回答を差し控える旨の返答があった。

なぜここまでのいざこざに発展しているのか。実のところ日経は、記事や社説において、高市政権の財政政策や減税案に対して「財源がないのにこんな巨大な予算を組むのはけしからん」と厳しく論評してきました。

それに対し、政府側が強く反発しているのです。政策論争は自由に認めて、一方で外交上の重要なイベントには前向きであってほしいものです。

政策論としては、私も日経が指摘するように、いわゆる「高市減税」は多くの問題を含んでいると思います。

現在議論されている減税案の中身を見てみると、いくつかの根本的な矛盾を抱えています。その最たる例が、2027年4月から予定されている「食料品の消費税率を8%から1%に引き下げる」という政策です。現場レベルでは、いくつかの問題が指摘されています。

具体例として、農家の約8割は売上高が1000万円以下の「免税事業者」であり、これまで消費税の納付が免除されてきました。

(構成=鈴木聖也 写真=時事通信フォト)