恐れずにチャレンジする子の親が「家」でやっていること
算数脳を育むために、子どもが4〜6歳のときにしたいことは乳幼児期と基本的に同じです。たくさん会話をして愛着を形成しながら、知的好奇心を育む働きかけをしていただきたいと思います。ただ年を重ねた分、語彙が増えてきて、理解や体験できるものも増えているので、絵本だけでなく「図鑑」など、少し難度の高い内容の本にもチャレンジできるようになってきます。
子どもの知的好奇心を伸ばすのに、脳科学視点で活用できるのが「単純接触効果」です。人というのは、何度も見たり聞いたりすることで、その対象に対する興味・関心が湧きやすくなるようになっています。恋愛関係において、近くにいる人のことを好きになりやすいのは、この効果が働いているからです。
もう一つ活用できるのが、その物事について少し知っていると、より興味・関心が湧きやすいという「流りゅう暢ちょう性効果」。白いチョウが飛んでいたときに、昆虫に興味がある人であれば「これはモンシロチョウか、スジグロシロチョウか?」「いやこの時期に、このエリアにいるということは……」と、目の前の情報を受け取るだけにとどまらず、より深い関心を寄せていくのはこの効果が働いているからです。車やアパレルなど、そのブランドを知っているかどうかでモノの見え方が変わるのも、この効果ですね。
これらの効果を使うことで、算数の「速さ」の単元への苦手意識を軽減させる工夫を家族のドライブ中にできたり、虫や魚など、自然体験への興味を引き出せたりするので、ぜひ覚えておいていただければと思います。
ちなみに、単純接触効果を生むのに、図鑑ではなく動画ではダメか?と質問をいただくことがありますが、脳科学的には、子どもが小さければ小さいほど生身の人間が直接教えるのがよいといわれています。愛着形成に役立つのはもちろん、ゲームやスマホなどは、音や光など得られる刺激が子どもにとっては強すぎることから〝やめづらくなる〞依存性が指摘されています。魚釣りや虫捕り、図鑑などの楽しさに触れる前に、デジタルの刺激に触れすぎると、知的好奇心を伸ばすのに有効な時間を退屈に感じてしまうおそれがあります。共働きで忙しいご家庭も多いので「絶対ダメ」とは言いませんが、デジタルに触れる時間はなるべく短くしていただきたいと思います。
最後に、最も重要なのは「褒める」こと。これまで述べてきたことを参考にたくさん褒めていただき、難題にも恐れずに挑むチャレンジ精神をこの時期に育みましょう。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

