順番は、「番号」ではなく「人」である

ここには、順番を待つ際の認識の仕方の違いがあった。

私は今まで、順番は「番号」だと思っていた。すでに私の前に3人がいれば、私は4番目。一人順番が来たなら、私は3番目に繰り上がる。

だが、フランス人は、そうは見ていない。

誰が自分の前にいて、誰が自分の後にいるのか。

その人たちは、どんな様子か。

どんな生活スタイルをしていそうで、余裕を持って待てそうか、もしくは急いでいそうか。

話しかけやすそうか。

何か困っていないだろうか……。

フランス人は順番を待つとき、自分が「何番目にいるのか」という「番号」ではなく、「どんな人たちがまわりにいるのか」という「人」で見ていたのだ。

私はこれに気づいてから、順番を待つ際には「番号」ではなく「人」を見ることに意識を置くようになった。

フランス人は、常に人を見て、人と出会えること、人と一緒に時間を過ごせることを喜んでいる。そしてその中で、ちょっとした優しさを見せて互いに笑顔になったり、ふと冗談を言い合ったりすることが大好きだ。

順番を待つ時間。ただひたすら数字が減ることのみに集中していても、つまらなく、時間を長く感じるだけだ。

どうせ待つなら、ちょっと心を元気にしてみよう。自分もまわりも幸せにする。また今日も、フランス人の楽しい人生の秘訣を見つけたな。

昨日「幸せな気持ち」を感じた人の割合
フランス人は日本人より「幸せな気持ち」の点数が高い 出典=こども家庭庁
トレオレル美智子(とれおれる・みちこ)

フランス在住14年の8人子育てワーキングマザー。1986年滋賀県生まれ。一度目の結婚で二児を設けるが、良き妻、良き母でいようと尽くした結果、夫がモラハラDV化し、親族らにより強制離婚。東京でシングルマザー生活を送る。後にフランス人と再婚して渡仏。5人を出産し、7人の母として暮らしていたところ、フランス語が話せないまま突然またもやシングルマザーとなる。職なし、貯金ゼロ、公共料金の払い方も知らないところから、日仏辞書を片手に訪ね歩き生活を立て直す。子どもには不自由な思いをさせないようにと、働きながらも家事の手を抜かず、自分のことを後回しにしていたが、それを知ったフランス人マダムから「どうして自分の人生を楽しまないの!」と怒られる。「休む」ことを目的に働くのではなく、「楽しむ」ことを目的に一日中行動するようになる。その結果、仕事もプライベートもペースを崩すことなく両方が充実し、フランス人と三度目の結婚。その中で出会ったフランス人たちの些細な一言や行動に対してインタビューを重ね、「フランス人の楽に幸せに成功し続ける生き方」をメソッド化。オンライン・リアル(日本)での講演やセミナーを多数実施している。