イライラに負けない食習慣

case 6 ストレスがたまったとき、こってりしたものが食べたくなる

「イライラすると、ラーメンや揚げ物が食べたくなる」

守田和弘『食べたいものを、食べていい 「毎日牛丼」生活も肯定する科学』(光文社)
守田和弘『食べたいものを、食べていい 「毎日牛丼」生活も肯定する科学』(光文社)

ストレスがたまると、高カロリーで脂っこいものが無性に食べたくなります。ストレスがかかると、コルチゾール(ストレスホルモン)が分泌されます。コルチゾール値の上昇は食欲の増加と関連し、高カロリーな食品を選びやすくなることが知られています。

さらに、脂質と糖質の組み合わせ(揚げ物、ラーメン、ケーキなど)は脳の報酬系を刺激し、一時的に気分をやわらげることがあります。

「やけ食い(情動的摂食)」も、実はこうした脳の仕組みと関係している行動と考えられています。

〈体からのメッセージ〉
「ストレスに対抗するため、エネルギーを蓄えたい」

〈対策〉
完全に我慢する必要はありません。ラーメンも唐揚げも、食べたいなら食べていいのです。ただし、ストレスの根本原因にも対処しましょう。散歩、睡眠、深呼吸などの気分転換も有効です。
ちなみに、青魚(サバ、サンマ、イワシなど)に含まれるオメガ3系脂肪酸は、ストレス軽減効果があると言われています。揚げ物の代わりに、焼き魚を選ぶのも一つの選択肢です。もちろん、どうしても揚げ物が食べたいときは、罪悪感なくそれを楽しんでください。

「食べたい」味にはワケがある

ここまで6つのケースで、体の状態によって食べたいものが変わる理由を見てきました。図表1にまとめましたので、ご自身の経験と照らし合わせてみてください。

「食べたい」という気持ちは、体の状態を教えてくれるセンサーです。

我慢するのではなく、「なぜ今これを食べたいのか?」と観察してみる。そうすると、体が何を求めているのかが見えてきます。

【参考文献】
*1 Benton, D., & Donohoe, R. T.(1999). The effects of nutrients on mood. American college of sports medicine joint position statement. Public Health Nutrition, 2(3A), 403-409.
*2 Thomas,D.T.,Erdman,K.A.,& Burke,L.M.(2016).Nutrition and athletic performance. Medicine & Science in Sports & Exercise, 48(3), 543-568.
*3 Spiegel,K.,Tasali, E. Penev,P.,&Van Cauter,E.(2004). Brief communication: Sleep curtailment in healthy young men is associated with decreased leptin levels, elevated ghrelin levels, and increased hunger and appetite. Annals of Internal Medicine, 141(11), 846-850.
*4 Buffenstein,R.,Poppitt,S.D., McDevitt,R.M.,& Prentice,A.M.(1995). Food intake and the menstrual cycle: A retrospective analysis, with implications for appetite research. Physiology & Behavior, 58(6),1067-1077.

守田 和弘(もりた・かずひろ)
実践女子大学教授

実践女子大学教授・博士(農学)。富山県生まれ。静岡大学農学部卒業、筑波大学大学院生命環境科学研究科博士課程修了。富山県農林水産総合技術センター食品研究所、東京医療保健大学を経て現職。2017年日本食品科学工学会奨励賞受賞。専門は食品科学。食の科学を探求しながら、食べる喜びと健康の両立について思考を巡らす。好物は牛丼。