当時の有り金「300万円」を投資へ

資産形成を意識した背景には、結婚式の費用があった。式に費やした金額はごく一般的な金額だったが、これによって結婚前に貯めていた小和田さんのお金はほとんど底を尽きた。その後、2018年に小和田さんは転職。このとき得た前職の退職金250万円ほどと、結婚式費用のために「瀕死」となった個人貯蓄50万円程度を合わせ、300万円を投資の種銭にした。

“手堅い性格”を自負する小和田さんは当初、国内の安定した個別株を買い続けた。しかし日々激しく上下する評価額にやきもきする。下落率が買った当初の10%になれば損切りをするなどのルールを決めて運用したが、この方法は自分に合っていないと判断した。

書籍や投資関連のブログを読み、見聞を広げていくうち、オールカントリーのようなインデックス投資によってさらに可能性が広がることを知る。YouTubeや旧Twitter(X)などにも情報はほとんどなく、“オルカン”なんて言葉もそこまで浸透していない時だ。結果、資産は順調に増え、2年後の2020年には300万円ほどの元本に対して資産が450万円弱と健闘した。

もくろみ通り、大きな失敗はない。あえて言えば、「2020年頃に買ったNVIDIAを20ドルくらいで手放したことくらい」と振り返る。2022年、これまでよりぐっと下がったNVIDIAの値動きに狼狽して売却した。現在、同銘柄は200ドル前後で推移していることから、逃がした魚は大きかったことになる。

だがその後も順調に世帯全体の資産は育ち、2023年には3600万円に到達し、翌2024年には資産5000万円の大台に乗った。

現金500万円だけ確保し、あとは投資へ

自身と夫の定期昇給を経て、現在の年収は小和田さん約1000万円、夫約1100万円。結婚当初からはライフステージも変わり、子供が2人生まれ、住まいも賃貸物件から新築戸建てに変わった。購入した物件は1億円に届きそうな価格で、毎月の住宅ローンは24万円ほどある。それでも、小和田さん自身は、手取り55万円ほどの月収のなかから24万円ほどを投資に回すことができているという。

現在ある世帯全体の資産約9000万円のうち、おおまかな内訳はこうだ。

小和田さんの株式(国内)4000万円程度、夫の株式(国内)と持株会など600万円程度、投資信託3000万円程度、確定拠出年金や財形貯蓄などで1000万円ほどあり、現金は500万円ほどしか持たない。結婚生活の9年間で投資に回した元金は、およそ3000万円ほど。実に5500万円以上を増やした計算になる。

2026年1月現在で、小和田さん夫婦の総資産は8700万円を超えていた(取材は2026年4月末)。
撮影=プレジデントオンライン編集部
2026年1月現在で、小和田さん夫婦の総資産は8700万円を超えていた(取材は2026年4月末)。

小和田さんが世帯で9000万円近くの資産を築くまでの軌跡を、もう少し細かく見ていこう。