動く前に「見落としやすい資産」の確認を

熟年離婚を考えるのであれば、老後の生活について現実的な見通しを立てておくことが欠かせません。年金分割、退職金、住宅といった資産は、いずれも見落とされやすい一方で、生活に与える影響は非常に大きいものです。制度や仕組みを知らないまま離婚を進めてしまうと、老後資金に1000万円の差が生じることもあります。

2026年4月の改正民法施行により、財産分与の請求期限が離婚後2年から5年に延長されました。あわせて年金分割の請求期限も5年に延長されています。離婚後5年以内であれば、財産分与や年金分割を請求できる可能性があります。

期間に余裕があるとはいえ、予期せぬ相手の死亡などで請求が困難になることも考えられます。離婚を切り出す前にもらえる財産を把握し、離婚時点で清算を完了させるのが安心です。

熟年離婚を考えたときには、情報をしっかり収集し、現実を整理することから始めてみてください。

お互いに外した結婚指輪を書類の上に
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森本 由紀(もりもと・ゆき)
行政書士/ファイナンシャルプランナー(AFP・2級FP技能士)/離婚カウンセラー

神戸大学法学部卒業。法律事務所勤務を経て、2012年に行政書士ゆらこ事務所を開業。離婚協議書作成などの離婚手続き支援を中心に、夫婦問題や熟年離婚に関する相談業務を行う。離婚後の生活設計や老後資金、財産分与、年金分割など、お金に関するアドバイスにも力を入れている。法律・マネー分野の記事執筆・監修実績多数。