眼科ナイフで世界シェアトップのマニー
1社目は栃木県の医療機器メーカーで、手術用メス、手術用縫合針、歯科治療機器を手がけているマニー(7730)。
マニーの白内障手術に用いられる眼科ナイフの世界シェアは30%でトップクラス。同社のナイフの特徴はその「切れ味」にある。切るときの抵抗値が競合製品の半分程度で、ほとんど抵抗感がない。同時にコントロールのし易さも兼ね備えている。
このため、極めて硬い角膜を2~3ミリ切開する白内障手術において「歪みのない切り口」が可能だ。切れ味が悪いとナイフを眼球に強く押しつけなくてはならず、眼球に余計な圧力を加えて切り口が歪み、視力へ悪影響が出ることがある。
眼科用以外では心筋梗塞などの血管バイパス手術に使用するナイフや内視鏡下鼻副鼻腔手術に使用する耳鼻咽喉科用ナイフも製造している。
「品質世界一にこだわる。社内では年に2回『世界一か否か会議』を開催し、世界市場において当社製品の品質が世界一であるかどうか確認している」。
2020年にマニーが経済産業省から表彰を受けたときの高井壽秀社長(当時)のコメントだ。
マニーは以下のようなルールを定めて研究開発に臨んでいる。
(1)医療機器以外は扱わない
(2)世界一の品質以外は目指さない
(3)製品寿命の短い製品は扱わない
(4)ニッチ市場(年間世界市場5000億円程度以下)以外に参入しない
「世界一か否か会議」では、競合他社製品を入手し、性能比較テストを実施することによって、マニーの品質が世界一であるかどうか確認する。もし他社より劣った場合は、次の会議までに、その原因を分析し、対抗策を講じなければならない。世界一を回復できなければ生産撤退となる。
マニーは世界シェアナンバーワンを強く意識する企業であり、その意識の強さが同社の成長を支えている。
歯科用ハンドピースで世界ナンバーワンのナカニシ
2社目は、栃木県鹿沼市に本社を置く歯科治療器具メーカー・ナカニシ(7716)だ。
同社は医療や工業分野の回転機器を製造しており、歯科用ハンドピースの世界シェアは約30%で首位。海外現地法人は15カ国にあり、135カ国に販売ルートを持っている。
歯科用ハンドピースとは、歯科医が歯を削るときに手で握って使用する器具のこと。細長い円筒形で、先端部に取り付けたダイヤモンド製ドリルバーを高速回転させて歯を削る。キーンという音を出しながら歯を削る、歯科医院でよく見かける治療器具である。
ナカニシのハンドピースは1分間に40万回転する。この回転数は他社の追随を許さない。自動車のエンジン回転数が1分間に3000~5000回転であることと比較すると、40万回転がいかに高速か想像できるだろう。
ナカニシの強みは、開発・部品生産・組み立て・販売をすべて自社で行っていること。これによりグローバルな市場のニーズを素早くキャッチすることができる。
ハンドピースは歯科医にとってなくてはならない医療器具であり、さまざまな要望が寄せられるが、ナカニシはミクロン単位の精度で歯科医の要望に応えてきた。今後のハンドピース事業について中西英一社長は「世界シェア40%を取りたい」という。
最近はインプラント治療が普及しているが、同社ではインプラント治療で顎の骨に穴を開ける専用ドリルも手がけている。

