人工透析を避けるために「確認すべき項目」
実は、血液のクレアチニンが高くなる頃には、腎機能はかなり低下しています。異常値になったときには、最短で1、2年で人工透析になるくらい悪化しているのです。
一方、尿アルブミンは血液検査よりも早い時期から異常が出はじめます。糖尿病性腎症を早期に発見するためには必須の検査です。
もしあなたが糖尿病で治療を続けていて、定期的に受ける検査項目に尿アルブミンが入っていないなら……。はっきり言いますが、その医者にかかり続けるのは危険です。あなたの命を縮めることになるでしょう。
私は、尿アルブミンを定期的、少なくとも半年か1年に1回受けるよう、厚生労働省が義務づければ、人工透析の患者数は減り、その数だけ患者さんも救われるのにと忸怩たる思いを抱いています。
人工透析になりたくないのであれば、尿アルブミンを調べてくれる病院や医者を探したほうがいいのは間違いありません。
こうした例は糖尿病以外の病気でもある話です。
がんを早期発見して、命を守るカギになる検査
がんは早期発見することで、治癒率が非常に高くなります。
ただ、国が行っているがん検診だけでは、早期発見できないでしょう。
糖尿病の患者さんは、がんになるリスクが高いので、私は患者さんに胃内視鏡検査は毎年、大腸内視鏡検査はポリープがあれば毎年、なければ2、3年に一度受けるようすすめています。こうした検査を定期的に受けることが、がんを早期発見して、あなたの命を守るカギになります。
昔は内視鏡検査には苦痛が伴うというイメージがありましたが、現在は負担がかなり減っています。寝ている間に検査を行う病院も増えていますから、苦痛というものがありません。
認知症も同じです。脳の状態を画像検査する脳ドッグを定期的に受けて、脳の状態をチェックしましょう。認知機能が低下する原因に、思わぬ病気が潜んでいることがあります。定期的に検査を受けていれば、その異常を早期に発見できて、治療を受けることができます。
いつまでも元気でいるためには、定期的に必要な検査を受けることが大切です。
1979年、北海道大学医学部卒業。地域医療に従事した後、ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。この間、血中AGEの測定法を世界で初めて開発し、「The New England Journal of Medicine」「Science」「THE LANCET」等のトップジャーナルにAGEに関する論文を筆頭著者として発表。1996年より北海道大学医学部講師、2000年より久留米大学医学部教授を歴任。 2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍、これまでに延べ20万人以上の患者を診ている。 著書に『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『糖質オフのやせる作おき』(新星出版社)、『糖尿病専門医にまかせなさい』(文春文庫)、『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)、『人間ドックの9割は間違い』(幻冬舎新書)他、多数。 雑誌、テレビにも出演多数。
