どうすれば「褒め上手」になれるか。『できるリーダーはどこを「ほめる」のか? チームが自然と動き出す「戦略的ほめ方」』(朝日新聞出版)を出した山本渉さんは「褒め上手な人には、実は『褒める前にしていること』がある」という――。

ポジティブな視点を得られる“メガネ”

「褒めたほうがいいのはわかるけど、何を褒めればいいのかわからない」

そんな声をよく聞きます。本稿では、褒める前にしておきたいこと、そして「褒めポイント」が見つけやすくなるスキルをお伝えしていきます。

たとえば、ある新人が獲得した契約数が平均の半分だったとします。「半分だけか……」と否定的に捉えることもあれば、「経験が浅い中で半分も成果を出せた! まだまだ伸びそう」と前向きに評価することもできます。

同じ出来事でも、視点によって受け取り方はまったく変わります。このように、ポジティブな見方への切り替えを助けてくれるのが「メガネ」です。

【図版1】褒メガネをつけよう
イラスト=福士陽香

「あたりまえ」を「いいね!」に変えるスキル

「褒メガネ」は、物事をただポジティブに見ようとする道具ではありません。日常の「ふつう」として見逃していた努力や姿勢にピントを合わせてくれるのです。

・いつも黙って議事録を取ってくれるメンバー
・納期をきっちり守ってくれる後輩
・目立たないけど、周囲のサポートをしてくれているアシスタント

褒メガネをかけると、まるで視力が上がったように、こうした「見えづらい貢献」がはっきりと見えてきます。感謝や称賛の対象が広がっていくのです。

「あたりまえ」の中にある「ありがたさ」が見えてくると、褒めるハードルが自然と下がり、より多彩な承認の言葉が生まれるようになります。

プライベートでも同じです。

・部屋がいつもきれい
・嫌な顔せずにいつも愚痴を聞いてくれる
・トイレットペーパーが切れないようにストックが補充されている

これらはあたりまえのようで、実は継続するには努力や配慮が必要です。「褒メガネ」をかけて、今までスルーしていた「あたりまえ」の中に褒めポイントを見出していきましょう。