自分を責める言葉は選ばない
自分に対しても、「なんで病気になってしまったんだ」「なんで自分にはできないんだ」と責めても、いいことはひとつもありません。「なんで」という問いは答えにたどりつかない詰問ですから、生まれるのは苦しみだけです。
ご自分を責めるのは、もう終わりにしましょう。これからは、自分をいたわり、ねぎらう言葉を、少しずつ選んでみてください。その積み重ねが、心とからだを回復へと導いてくれるはずです。
自分がやってみたいと思うことは、何歳からでも何でも自由にやってみたいと思いますが、生きていると、どうにもならないことに心を奪われることがあります。
他人の気持ち、過去の出来事、年齢、病気、天災、時代。考えても、願っても、努力しても、自分では動かせないことはたくさんあります。どうしようもないことに力を注ぎ続けると、人は疲れ、執着や怒り、恨みが生まれてしまいます。
どうしようもないことからは「降りる」
私は、「自分でコントロールできること」と「できないこと」を分けて考えるようにしてきました。からだのケア、学ぶこと、働き方、人との接し方、日々の過ごし方。そこには、自分の選択が及びます。自分の力で変えられることには、少し無理をしてでも時間や労力を使い、からだを動かして、勉強し、人に会うことです。
一方で、どうにもならないことからは、潔く降りること。
その上で、自分が自分の味方になってあげます。そうでなければ、病や困難に立ち向かう力は生まれてきません。自分に向けて発する言葉を、ぜひ激励の言葉に変えてみてほしいのです。
「ありがとう」「頑張ったね」「えらいね」「大丈夫だよ」「できるよ」
毎日、自分にかけるあたたかい言葉は、必ず自分を強くしてくれます。
私は、足が痛くてつらいとき、そっと足をなでながら、「今日も一日おつかれさん、ありがとう」と伝えています。すると、不思議と足が少し元気になるような気がするのです。「どうしようもないこと」ではなく、「できること」に目を向けます。
1923年東京生まれ。1944年東京女子薬学専門学校(現明治薬科大学)卒業。薬剤師である父の姿を見て自身も薬剤師になろうと決意し、大正12年に父が創業したヒルマ薬局の2代目として働き始める。父とともに、戦後の混乱の渦中にあった東京の街に薬を届ける。薬剤師歴は80年超、調剤業務をこなしながら服薬指導や健康の相談に乗る姿は、「薬師如来のよう」と評判で、地域の人たちの心のよりどころに。101歳で亡くなるまで店に立ち続けた。