「家族は同じ身分」という原則

改めて言うまでもなく、天皇・皇族も国民も、結婚後も「家族は同じ身分」(天皇・皇族の家族は皇族、国民の家族は国民)であり、それがわが国における近代以降の標準的な家族の姿だ。にもかかわらず、内親王・女王殿下方には夫婦も親子も身分が別々(妻=母親は“皇族”で皇統譜に登録、夫=父親と子は“国民”で戸籍に登録)という標準からかけ離れた家族を強制するのは、あまりにも不自然であり異常だ。

当然ながら、「家族は同じ身分」という原則は、ご結婚後の内親王・女王殿下方にも当てはめられるべきだ。

天皇陛下のご意思を第一優先で

政権与党の自民党と日本維新の会は、昨日まで一般国民だった旧宮家系の誰も知らない国民男性を“養子縁組”という法的な手続きだけで皇族とする無茶なプランを「第一優先」との方針で、足並みをそろえている。しかし、民意との乖離が激しすぎる。

これまで各種の世論調査で、およそ7割から9割の国民が「女性天皇」に賛成している。最初に述べたように「愛子天皇」を望む国民の声はますます高まっている。

その可能性を残すためには、未婚の女性皇族がご結婚後も皇族の身分をそのまま維持される皇室典範の改正が必須だ。

何よりも、このたび明らかになった天皇陛下のご意思こそ、「第一優先」とするのが当たり前ではあるまいか。

高森 明勅(たかもり・あきのり)
神道学者、皇室研究者

1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録