国民が無意識に感じ取っている「天皇家のバトン」

最後に少し、「愛子天皇待望論」のことを考えてみる。

林真理子さんが週刊文春の連載コラムで、「天覧相撲」を書いていた(2026年2月5日号)。1月18日、陛下と雅子さま、愛子さまが初場所を観戦した日、林さんも国技館にいたという。ご一家入場のアナウンスが流れた途端、場内に「ゴーッという大音響がとどろいた」と林さん。一緒に行った友人2人は立ち上がり、「愛子さまー!」と叫んだと、書いていた。

国民は愛子さまという存在を、理詰めで考えてはいないと思う。だが、天皇家というものを受け継ぎ、支えていることを、無意識のうちに感じ取っている。それが林さんの友人をはじめ、全国で巻き起こる「愛子さまー!」になるのだろう。

二重橋
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『ペリリュー』の試写会後、俳優や監督らが取材を受けていて、その様子がホームページに載っている。原作者の武田さんは記者たちにこう語ったそうだ。

「戦後80年で孫の愛子様が本作を観たというのは、愛子様ご自身も感じるところがあったようで、そのことについてもお話をさせていただきました。そして心に残った作品、この物語は残していくべきだとの感想をいただきました」

矢部 万紀子(やべ・まきこ)
コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。著書に『笑顔の雅子さま 生きづらさを超えて』『美智子さまという奇跡』『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』がある。