精子の老化を特に注意したい人は

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男性が父親になる年齢は2000年以降急激に上がり、今の全国平均は32.3歳。

通常、男性は、女性のように「一定の年齢でみんな妊娠できなくなる」という劇的な変化はなく、ゆるやかな衰えがあるのみだ。例えば女性は40代半ばになると妊娠できないのが普通で、できても半数は流産してしまう。これに対し男性は加齢で子どもをあきらめることはあまりなく、流産率の違いも35歳以上でそれより若い男性の約1.3倍になる程度だ。

しかし、これはあくまでも集団の傾向で、実際にはかなり大きな個人差がある。精子の加齢リスクが高まる境界線は、多くの報告で「35歳」もしくは「40歳」。今まで高齢出産と言えば誰もが女性の話だと思ってきたが、実は男女の問題だったということがこれでよくわかる。男性も「35歳以上は男も高齢出産だ」と心得て、子どもが欲しいのならのんびりしない方がいい。

特に40代の男性は、パートナーさえいるなら、あれこれ考えている暇はない。精子力の低下は40代後半から加速する。精子の老化もさることながら、若い女性との年の差婚ではない限り、この年齢では女性の卵子が厳しい状況にあるはずだ。

カップルが妊娠までに要した平均月数を男性年齢別に見た英国の研究によると、20代で子どもを持とうとした男性では半年、30代~40代前半では10カ月だったが、40代後半では19カ月、50歳以上では32カ月もかかっていた。これは女性年齢が高いとさらに長くなり、長くなれば卵子老化は進む。余裕のない卵子にさらなる負荷をかけないためにも、年齢の高い男性は早く女性と子どもの話をした方がいい。