粘土でアイデアを広げていく
2 粘土アート:「手で考える」ことで、アイデアの本質に触れる
ムードボードでアイデアの「イメージ」を広げたら、次は言葉を使わずに、粘土を使ってそのアイデアの「本質」に触れてみましょう。これは、単なる粘土遊びではなく、「手で考える」というこのプロセスは、お子さんが自分のアイデアと、より深く、そして直感的に繋がるための非常に重要なアート思考へのアプローチとなるのです。
例えば、ムードボード作りを終えたお子さんに、こう問いかけてみましょう。
「さっきムードボードで集めた、君の『大好き!』とか『伝えたい!』っていう気持ちを、今度は言葉を使わずに、この粘土で自由に表現してみようか」
ここで起こっているのは、言葉で考えるのではなく「手で考える」という、非常に創造的なプロセスです。お子さんは、粘土をこね、丸め、伸ばす、その手の感触を通じて、頭の中にある、まだ言葉にならないモヤモヤとしたアイデアに込めた、「本当に伝えたい想い」を探し当てようとしているのです。
事例:昆虫が好きなそういちろうくんの場合
起業家になろう!コースに、カブトムシやクワガタが戦う姿に興味関心をもった、そういちろうくんがいました。彼の最初の興味の原点は、多くの子どもたちがそうであるように、その圧倒的な「強さ」と「かっこよさ」にありました。
しかし、キンダリーで環境問題について学ぶ中で、彼の視点に大きな変化が訪れます。彼は、「自然環境を守りたい」という強い想いを抱くようになりました。これまでただ「かっこいい」と見ていた昆虫たちが、実は森の生態系を支える重要な役割を果たしていることを知ったのです。この発見は、彼の心の中に強い問題意識を生み出しました。
「昆虫は、森の掃除屋さんとしてもすごく大切な存在なのに……。どうして、みんなはその価値を知らずに、『気持ち悪い』と思ってしまうのだろう」
彼の心の中にあった、「戦う昆虫って、なんてカッコいいんだ!」という憧れと、「この大切な自然環境を守りたい」という新しい想い。この二つが掛け合わされたとき、一つの力強い目標が生まれました。それは「昆虫の本当の魅力を伝えて、そのイメージを変えること」でした。


