対話を通じた大人の関わり方

メンター:「学校にきていないお友達のことが心配なんだね。」
あかりさん:「おそろいのキーホルダーをプレゼントしたら喜んでくれると思う。プロジェクト名は『おそろいのキーホルダープロジェクト』」
メンター:「それが完成したら、あかりさんはどんな気持ち?」
あかりさん:「すっごく、うれしい気持ち!」
メンター:「そっか。このプロジェクトで一番大切にしたいことは何だろう?」
あかりさん:「お友達の笑顔と、私の笑顔!」

このメンターとのプロジェクト・キーワードシート作りを通じて、「友達が心配」という漠然とした想いは「おそろいのキーホルダーで、お友達と自分を笑顔にする」という、お子さん自身が主人公の、明確なプロジェクトへと進化します。

この「自分で決めた」という感覚こそが、挑戦を「やらされごと」から「自分ごと」へと変える、その後のすべての挑戦を支える、最も大切な土台となるのです。

さまざまな表情のアイコン
写真=iStock.com/RerF
※写真はイメージです

アイデアに「かたち」と「気持ち」を込める

キーワードシートでプロジェクトの「骨格」が見えてきたら、次はそのアイデアに具体的な「かたち」を与え、お子さんの「気持ち」を込めていく、さらに楽しいステップに進みましょう。

ここで大切になるのが、アート思考(Art Thinking)というアプローチです。保護者の方が「アート思考」と聞くと、「うちの子は絵がうまくないから……」と、少し身構えてしまうかもしれません。

しかし、これは、決して「上手な作品を作ること」が目的ではないのです。アート思考とは、一言で言えば「頭だけでなく、手と心で考える」こと。言葉だけでは表現しきれない、アイデアの持つ「世界観」や「温かみ」をお子さん自身が深く感じ取り、プロジェクトへの想いを確固たるものにするための、非常に重要なプロセスなのです。ご家庭でも、粘土や雑誌の切り抜きを使って、簡単に実践できます。

1 ムードボード:頭の中のイメージを「見える化」する

お子さんの頭の中に生まれたばかりのアイデアは、まだ言葉にならない「もやもや」としたイメージの塊です。ムードボードとは、この頭の中にある漠然としたイメージを、写真や絵、好きな言葉などを一枚のボードに貼り付けて、目に見える形に整理していくための、非常に楽しい方法なのです。

このプロセスを通じて、お子さん自身もまだ気づいていなかった、アイデアの「核」となる世界観や、本当に大切にしたいことが、少しずつ浮かび上がってきます。