「低年収男」の美点を褒めてあげよう

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「男の家事能力」を重視する女性が増加中

ただし、異性を相手にする恋愛や結婚の場合は、男性同士ほどは年収を意識する必要はありません。もちろん、共稼ぎでも子どもを育てられるぐらいのお金は前提条件として必要でしょう。その点で、佐藤さんが引用された調査結果(未婚女性が結婚相手に求める「最低年収」は400万円~500万円)は納得感があります。

年収は高くなくても、子育てや家事に参加してくれる男性、外見がすごく好みのタイプな男性、高学歴で社会的な地位が高い男性(さきほどのキャリア官僚とか)、仕事やキャリアを理解して協力できる男性(自分の職場近くに引っ越してくれるフリーライターとか)、夢の実現に向かって生き生きと熱中している男性(芸術家や起業家とか)など、女性が結婚相手に求める積極的な条件はバラバラです、よね。

男性は男同士のパワーゲーム基準(年収)を女性相手にも持ち込みがちです。はっきり言って幼稚ですよね。そのためか、経済的な理由で「まだ結婚できない」と考え、結婚に二の足を踏む男性も多いのです。

でも、貨幣経済での熾烈な競争に身をさらし続けて頭が少しおかしくなっているのだと思って、温かく見守ってあげてください。あなたが「男は年収!」と思っている女性でない限り、おいしい料理でも一緒に食べながらあれこれしゃべっている(途中で彼の美点を見つけたら軽く誉めてあげてください)うちに、「あれ? 男の価値は年収だけじゃないみたいだぞ。言われてみれば当たり前か」と我に返る男性もいるはずです。ちょっとした降格で心が折れたりはしない、したたかでバランスのとれた大人に成長できるかもしれません。その男性と結婚しましょう。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/