たった一人の船出
当初私は、新会社をアサヒフィールドマーケティングで人員整理の対象となった女性たちの受け皿にするつもりでした。
2004年7月、東京・八丁堀にあるソフトブレーンのフロアを間借りして、新会社ソフトブレーン・フィールドはスタートしました。文字どおりたった一人の船出です。
創業時に決まっていたのは、企業にラウンダー事業サービスを提供するビジネスを行い、それを1件いくらという出来高で販売するということぐらい。
結局、ラウンダー事業が軌道に乗るまでには5年という月日を要することになります。
アウトソースを引き受ける労働者のネットワーク
働きたい女性が働ける環境をつくることが当初の目的でしたが、ラウンダー事業が軌道にのり、2013年から事業化を進めてきたPOB事業(第2回「泥臭い小売り営業で起業し20年で売上50億円の男が「確実に成功するにはこれしかない」というビジネスの鉄則」参照)の拡大によって、「働きたい人が働ける環境づくり」へと目標が少しずつ変わってきています。
mitorizのキャストはほとんどが家事に従事する女性ですが、レシート会員の男女比は4対6。4割が男性です。レシートを集めて写真に撮って投稿するというのは誰にでもできる簡単な仕事ですから、女性に限定する必要はありません。
私が思い描くのは、「100万人の働きたい人の集団」です。性別や年齢にこだわりはいっさいありません。レシートを集めるだけなら拘束時間もないわけですから、会社員でもできます。小銭が稼げるのならやってみようという高齢者だっているでしょう。そういう人も大歓迎です。
この先、少子化で労働人口が減れば、企業が働く人を確保するのはますます難しくなります。つまり、労働者一人当たりの価値が上がるということです。また、労働者を社員として抱えるとなると、その分コストが発生するので、アウトソースの領域が広がっていくことが予想されます。
それでは、そこにアウトソースを引き受けてくれる、労働者のネットワークが用意されていたとしたらどうでしょうか。私の狙いはそこです。
