親は不登校児とどのように関わるべきなのか。精神科医の村上伸治さんは「不登校を直接なくす努力を熱心にすればするほど、事態は悪化してしまう。必要なのは不登校をなくす努力をやめ、敵対していた親子が同じ方向に歩み始めることだ」という――。

※本稿は、村上伸治『発達障害も愛着障害もこじらせない もつれをほどくアプローチ』(日本評論社)の一部を再編集したものです。

不登校のきっかけが解決しても学校に行けない

不登校の始まりに具体的なきっかけがある例はしばしばあります。先生に怒られたとか、友達に嫌なことをいわれたなどです。ただ、だがそういう場合も、元気だった子に大きな原因が生じたために起きた不登校なのか、それとも長い無理の蓄積に小さなきっかけが加わって限界を超えたのか、どちらなのかを考える必要があります。元気な状態に具体的なきっかけが加わったもので、それが対応可能なものであれば、迅速に対応すべきです。ですが実際には、そのきっかけが解決しても、やっぱり行けないという例は多いのです。

例えば、風邪やインフルエンザなどで数日休んだことをきっかけに不登校が始まる例は少なくありません。これなど、既に限界に近い状態になっていて、風邪などが体力と気力を落としたために、限界を超えたのだととらえるべきです。運動選手の疲労骨折をイメージしてください。骨折の主たる原因はその日の練習なのではなく、既に骨折手前の状態になっていたからです。最後のひと押しと、主な原因とは分けて考える必要があります。そして蓄積した無理が何なのかを考える必要があります。

リビングルームに一人で座っている子供
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

根本原因を探してみる

不登校の原因ははっきりしないことが多いと述べましたが、原因がわかる例もあります。実はいじめを受けていたなどの、誰でも納得がいく例もありますが、この場合は精神科に来ることは少ないでしょう。結構多いのは発達障害の特性をいくらか持っていて、例えば聴覚過敏があり、クラス替えで騒々しいクラスとなり、その騒々しさに耐えられなくなったとか、コミュニケーションの苦手さが以前からあったなど、本人の特性が関係する例です。

なので、登校渋りが始まったとしたら、短期的にはなだめながら行ってもらうのはありですが、平行して解決可能な原因がないかを探してみる必要があります。不登校になってから、発達障害特性に気づかれる子もよくいます。普通学級に行っている発達障害児の場合、無理をせずに支援学級に行っていれば、長期の不登校にならずに済んだのではないかと思うことがしばしばあります。「学校に行けていればOK」ではなく、無理をさせてないかを考えたいです。