台湾に引っ越したら、もっと生きやすいのではないか。移住する前は、のんきにそんなことを考えていました。

確かにいいところもたくさんあります。物価は安いし、のんびりしているし、人はやさしいし、食べ物はおいしいし、同調圧力もない。日本や日本人に対する理解も浸透しているので、考え方の違いから摩擦・対立が起こることが、欧米に滞在していた時と比べてかなり少ないように感じます。

近所の散歩コース/写真:著者提供

しかし、いざ住んでみると台湾には台湾の生きづらさがあることにも気づかされます。

例えば物価が安いのは海外からの旅行者にとってはメリットですが、現地に住むとなると、給料が安いというデメリットに直結します。これは、日本から仕事を受けるということで一応クリア。

気候も、冬はいいのですが、夏が死ぬほど暑い。夏になって初めて気がつきましたが、厳しい暑さを避けるためにはお金が必要なんですね。日中は涼しい図書館などに避難しますが、睡眠は必要不可欠なので、夜だけ冷房を使うことにしています。電気代のことを考えると戦々恐々です。

台湾にはフリーランスのビザがない

今のところ、台湾に越してから「最低限だけ働いて気ままに暮らす」という生活はできていると、一応は言えそうです。が、もっと長く住んでみないと説得力がないなあ、というのが本音です。

一番の問題はビザです。ワーキングホリデービザが切れてからも、この生活が続けばいいのですが、台湾にはフリーランスのビザはなく、かといって一般の労働ビザを取ったら隠居ができません。ビザが切れる秋までに何かいい方法を見つかるといいのですが……。

どう転がっていくのかわかりませんが、これからのお楽しみということにしておきます。

【関連記事】
仕事は週2日 年収100万「20代での隠居」
休みなしにアルバイトを続けた20代の末路
田舎のまちの魅力は、「人生の実験」ができること
高知で田舎暮らし「おすそわけは鹿一頭」
幸福度の要因は"資産"より"昼と夜の営み"