筋肉をゆるめて、体の重心を上げる方法
ここで、下がってしまった体の重心を、たった10秒で上げることができる「腕上げウォーク」を紹介します。この「腕上げウォーク」は、強引に重心を引き上げるのではなく、固くなってしまった脇腹の筋肉をゆるめながら、自然に重心を上げることができます。
1 両手の人さし指と親指を立てた状態にします。
2 手の形をそのままにして、腕を下ろし、右脚を前に出します。
3 左手を天井に向けて引き上げ、そのまま3秒キープします。
4 反対側の左脚を前に出し、右手を天井に向けて引き上げ、そのまま3秒キープします。
手を上げるときは、肩甲骨の下からぐっと引き上げるようなイメージで行いましょう。
体が横に傾いていたり、お腹が前に出ていたりすることがないように気をつけ、脚~骨盤~上半身をまっすぐな状態で行うようにしましょう。3と4を繰り返しながら何歩か歩くと、より効果的です。
全身の血流が良くなり、とても心地のよさを実感できるストレッチです。テレビやスマホ、デスクワーク等で座りっぱなしのときは、お部屋のなかでぜひ「腕上げウォーク」を行ってみてください。
筋肉は使わないと固くなり、前に引っ張られて住まう
重心が下がるのと同時に、体の見た目を大きく左右してしまうのが「筋肉が前に寄ってしまうこと」です。
本来、体の筋肉は後ろの集まっていることが理想的なのです。でも、背中の筋肉を使っていないと、筋肉は固くなって収縮しながら、体の前側にどんどん引っ張られてしまいます。
猫背や巻き肩は、典型的に背中の筋肉が前に集まってしまった状態です。腕は内側にねじれて、肩が内側に巻き込まれ、背中の筋肉は前のほうに引っ張られています。首から肩、背中にかけて筋肉が前のほうに引っ張られて、突っ張っているような状態です。
背中が固くなると、このように上半身も下半身も筋肉が内側に巻き込まれて、「前に前に」引っ張られるようになり、筋肉が前に広がり、ただそれだけで太ったように見えてしまいます。猫背で巻き肩になると、肩が広がって二の腕は太く見えます。
下半身も同様です。背中の筋肉が固くなると、連動してお尻や太ももの筋肉も前に引っ張られます。本来、お尻の中心に筋肉が寄っている状態が自然なのですが、前に引っ張られてしまうと、筋肉はつぶれて横に広がります。お尻はたれて、大きく見えます。