数学や算数に影響大
ちなみに、「スマホ認知症」というと、暗記科目の成績が下がるイメージを抱いた人も多いと思います。が、自分が生徒たちを見ている限りだと、影響を受けやすいのは意外なことに暗記科目ではなく、数学や算数だと思います。
数学は「AならばB、BならばC」といった論理的な思考を積み上げる力が必要です。そしてその論理の流れを理解するには、ある程度の集中力と粘り強さが欠かせません。
ところが、スマホに慣れすぎた子どもたちは、「わからない=すぐ諦める」ようになっており、一つひとつを丁寧に考える習慣が失われつつあるのです。
よく考えてみると当たり前ですよね。「この問題の答えは、3だ」という答えだけがわかるようになっても、数学の成績は良くなりません。どうしてこの問題の答えが3で、どうすればその答えに辿り着けるのか、プロセスが大事な科目です。
それに対して、スマホは思考のプロセスを「飛ばして」答えにたどり着く装置でもあります。その便利さゆえに、考える力そのものを放棄させてしまう――これは、今の教育現場が直面している最大の課題かもしれません。
「使用時間の可視化」と「制限」の徹底
では、子どもがスマホ認知症にならないようにするために、親御さんができることは何でしょうか? 結論から言えば、「使用時間の可視化」と「制限」の徹底が大切です。特に、1日4時間以上スマホを見ている子どもに対しては、放置しておくべきではありません。
簡単にできる方法としては、次の3つです。
・夜9時以降はスマホをリビングに置くルールを作る
・勉強中は物理的にスマホを別の部屋に置くように指導する
また、「親子で一緒にルールを作り、定期的にルールの見直しを行う」というのも重要です。
上記は、東大生の家庭が実践していたルールに基づいています。東大生の家庭では、これらをスマホを使うときのルールとして決めているところが多かったのです。
例えば、「家族会議で半年に一回程度、スマホの利用状況を話し合い、その上で1日の利用時間をみんなで決め直している」と話す家庭もありました。また、東大生本人が中学生の頃から親が「なぜスマホの使用を制限するのか」を子ども自身にじっくり考えさせるよう促しており、自分自身で「夜は9時以降触らない」「通知は勉強中オフにする」といった具体的なルールを作り出していった家庭もありました。
親が一方的に禁止するのではなく、親子が一緒に悩み、話し合ってルールを決めるプロセスそのものが考えさせることにつながり、「スマホ認知症」の予防につながっているのかもしれません。


