東大生は親に預けていた
その理由は、なんの連絡も来なくても、「もしかしたら○○君から連絡が来るかもしれない」という意識が、勉強の集中力を疎外してしまうからだと言われています。通知が来るのではないかという意識があるだけで、注意力散漫になってしまうわけです。
この点、東大生はどうしていたのかを聞くと、勉強の際にはスマホを親に預けていたという人も多かったです。これによってのびのびと学習できて、集中力を維持していたわけですね。
中でも印象的だったのは、「親にスマホを渡すと、毎回鍵のかかる『棚』に入れられてしまい、自分では絶対に触れないような仕組みになっていた」というエピソードです。強烈ですが、東大生の家庭では、スマホを手元から完全に離して物理的に触れない環境を作り出すことで、注意力の維持を徹底していることがわかります。
「考える」プロセスが失われてしまう
【3 深く考えなくなる】
最後は、「思考力」です。こちらも多くの教育現場で言われていることですが、子どもに対して何らかの質問をしたときに、「そんなのわからないよ」「答えは何?」と何も考えずにすぐ答えを求めてくる子の割合が増えているそうです。反対に、「うーん、何だろう?」「もうちょっと時間が欲しい」という人の割合は減っているそうです。
これはきっと、スマホの検索性が非常に高くなっていることによる弊害なのではないかと考えられます。つまり、クイズやなぞなぞのように考えるのではなく、「考える前に検索してしまう」という姿勢が当たり前になっている場合があるのです。
「わからないことはすぐ調べよう」という姿勢は一見よさそうに見えますが、それは「調べる前に考える」という前提があってこその話です。スマホが当たり前にある生活環境だと、その「考える」というプロセス自体が失われてしまうのです。
自分はよく学校や塾で講義を行いますが、「これについて考えてみよう!」と問いを出した時に、「1分以上考えられない生徒」が増えていると感じます。もちろん解答の糸口が見つけやすいものであればそこから考えを深めてくれますが、わかりづらい問題や難しい問題に対しては、1分以上は考えず、「解けなかったから答えを早く知りたい」「次の問題を出してほしい」という生徒が増えています。きっとこれはスマホによって「熟考する力」が削られているのではないかと推測しています。


