※本稿は、藤野智哉『人間関係に「線を引く」レッスン 人生がラクになる「バウンダリー」の考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
「他人に引きずられてしまう人」の悩み
最近、あなたはこんなことに悩んでいませんか?
断るのがなんとなく苦手
仕事も家庭も忙しすぎて、いつも時間がない
仕事の連絡が休日にもあり気が休まらない
つい意見の強い人に押しきられがち
愚痴につきあったり、相談されることが多い
待たされたり、相手に時間を合わせてしまう
「理不尽」と思いつつ、結局、我慢してしまう
「あなたのためを思って」の言葉にモヤモヤする
不機嫌な人がいると、自分までイヤな気分になる
期待に応えないと、なんだか罪悪感がある
そんなあなたに足りないのは、人間関係に「線を引く」ことかもしれません。
どういうことでしょうか?
人間関係に「線を引く」と書きましたが、この「線」は心理学用語の「バウンダリー」という考え方がもとになっています。
「バウンダリー」とは、「自分と他者の間にある境界線」のことです。
もう少し詳しくいうと、「『どこまで相手と関わるか』『どこから自分を守るか』を自分が決めるための心理的な境界線」を意味します。
「できない」と素直に伝えればいいが…
人にはそれぞれ「自分の領域」があります。
そしてその自分の領域は、尊重されてしかるべきものです。
けれども、本来なら誰からも侵入されないはずの「自分の領域」に、気づいたらずかずかと入ってこられてしまうケースは少なくありません。
それが「バウンダリーを越えられる」ということです。
そして、バウンダリーを越えられたら、自分を守るために、「それ以上はやめてください」と言っていいのです。
たとえば、仕事上でよくあるのが「時間」のバウンダリーです。
バウンダリーを適切に引けている人の場合、忙しい時期に他の仕事をふられたら、
「今は仕事がいっぱいで、引き受けられそうにありません。もし、どうしても私がしたほうがいいというなら、1週間後なら引き受けることができます」
と自分で「できる」「できない」の線引きをし、相手に素直に伝えて調整してもらうことができます。