副作用と注意すべき点

多くの方は副作用の心配をされるかもしれません。低用量ピルは、正しく使えば多くのメリットがある薬ですが、どんな薬にも「合う・合わない」があるように、確かに副作用や注意すべき点もあります。

服用を始めたばかりの時期に、吐き気、頭痛、むくみ、不正出血(予定外の出血)が生じることがありますが、多くの場合、3カ月以内に体が慣れて自然におさまることが多いです。

まれに、血のかたまり(血栓)が血管につまる「血栓症」という重い副作用が起こることがあります。35歳以上で1日15本以上喫煙している、前兆のある片頭痛がある、過去に血栓症の既往がある方などは服用できません。とはいえ、血栓症が実際に起こる確率は非常に低く、1万人/年あたりピル未使用の場合1~5人程度と比べて、ピル使用では3~9人とわずかに上昇しますが、妊娠中(5~20人)や産後(40~65人)と比べると決してリスクが高いわけではありません。

月経のトラブルは生活の質やメンタルにも影響する

「命にかかわる病気ではないから」「我慢できないわけではないから」と、自分の不調を後回しにする方も多いですが、月経のトラブルは、生活の質やメンタルにも影響を与える“医療が必要な状態”です。ピルの処方は決して特別なことではなく、今ではオンライン診療や学生向け相談窓口など、より身近な選択肢も広がってきています。

低用量ピルは、単なる避妊薬ではなく、女性が人生をより安心して、自分らしく過ごすための医療ツールです。「月経は我慢するしかない」「つらくても仕方ない」と思い込まず、自分の健康を自分で守るため、世界で当たり前になっているケアを、日本でももっと身近に感じてよい時代になってきています。

ピルには副作用や注意点もありますが、それらを正しく理解し、信頼できる医師と相談しながら使うことで、安心して活用することができます。

「なんとなく怖い」「周りに使っている人がいない」と思っていた方も、今回の情報をきっかけに、“自分の体をもっと大切にできる選択肢”があることを知ってもらえたら嬉しいです。

まずはかかりつけの先生、学校の保健室や養護教諭、家族や信頼できる大人に、自分の体調のことを話してみてください。