生理痛の軽減、貧血の改善や予防にもつながる
低用量ピルには自費の経口避妊薬(OC:oral contraceptive)と月経随伴症状の治療として保険適用される低用量エストロゲン・プロゲスチン(合成プロゲステロン)配合薬(LEP:low dose estrogen-progestin)の2種類があります。近年はエストロゲンの量が「超低用量(ULD)」のものもあり、むくみや吐き気などの副作用が減っています。
低用量ピルは、少量のエストロゲンと少量のプロゲスチンが合わさった薬です。内因性のホルモン分泌を低下させることで、子宮内膜がそれほど分厚くならないため、剝がれる子宮内膜の量が減ることで生理痛を軽減させ、子宮内膜症を改善させる効果があります。出血量が減ることで貧血の改善や予防にもつながります。
また、低用量ピルを飲むことで、ほぼ28日周期で一定に生理が来るようになり、スケジュール管理もしやすくなります。生理前のイライラ、気分の落ち込み、集中力の低下などの心身の不調はPMS(月経前症候群)とよばれますが、低用量ピルを使うことでホルモンの波が穏やかになり、症状が和らぐ方も多いです。一部のピルには、ニキビの原因となる男性ホルモンの働きを抑える効果もあります。さらに卵巣がん、子宮体がん、大腸がんのリスクを減らすことが報告されています。
このように、低用量ピルは避妊目的だけでなく、「日常の体調を整える薬」としても多くの女性にとって心強い味方になります。
受験前に服用を始めた高校3年生
低用量ピルの具体的な飲み方は、月経1日目から飲み始めるのが原則ですが、妊娠していないことが確実であればいつから開始しても構いません。基本的には21日間飲んで7日休むと休薬期間中に消退出血(月経)が起こります。例えば週末の月経を避けたい場合は日曜日から低用量ピルの内服を開始することを勧めます。
高校3年生のAさんは、中学時代から月経痛が強く、月経のたびに鎮痛薬が欠かせませんでした。加えて、月経前には情緒不安定や頭痛、下痢などのPMS症状もみられ、学校生活に支障を来すことが度々ありました。大学受験の試験日程が確定し、第一志望の国立大学の入試日付近がちょうど月経と重なる可能性があり、不安を感じて内科クリニックを受診しました。相談のうえ低用量ピルを開始して服薬スケジュールを調整し、結果として試験日当日は月経が起こらず、PMSや生理痛に悩まされることなく、集中して試験に臨むことができました。現在も月経痛の改善を目的に継続服用しており、日常生活も安定しています。


