世田谷区がプラごみを分別しなくていい理由

ごみの分別方法や収集後のプロセスは自治体によって異なる場合があるので、聞いた話は基本的に世田谷区の例である。東京都では、2000年に清掃事業が都から23区へ移管された結果、現在は家庭ごみの収集業務は区が責任を持つ。また、23区は清掃工場などで行うごみの中間処理について、東京二十三区清掃一部事務組合を作り共同で実施しているので、23区共通の話もある。

まず、プラごみを可燃ごみとして出せる理由を聞いてみた。噂では、「世田谷区はお金持ちなので、プラごみを燃やす清掃工場の性能が非常に高い」。ところが実際は、まったく違った。荒木課長は、「世田谷区はプラスチックの分別収集に関しては後発組で、区内のプラスチック量を受け入れて再商品化できる工場が見つからないのです」と説明する。分別する地域ではプラごみをリサイクルしているが、世田谷区はまだそれができていないのだ。プラスチックを収集し、再商品化工場へ運搬する一連の費用は、年間20億円にものぼる試算となっており、予算の確保は容易ではないそうだ。区は、将来的に分別する目標を掲げている。