義母への年84万円援助より先に年138万円貯金が先
ということは、老後家計の年間の収支差は530万円-400万円で約133万円。この赤字分の累積は65歳から95歳までの30年間トータルで約4000万円。これをあと10数年で貯めなければいけない計算になります。つまり、すでに1500万円の貯金があるので、現時点で単純計算であと2500万円を貯める必要があります。
タカシさんは現在50歳。今後15年間で2500万円を貯めるには、足し算の貯金より、利回りで掛け算して増やしていく投資のほうが効率的です。
そこで、金融庁の「つみたてシミュレーター」で自動計算してもらうと、想定利回り(年利)3%の場合、月々11万5000円を積み立てれば15年間で2610万円の運用資産額に達することが分かりました。
ということは、1年間で138万円の貯金が必要ですから、現在の黒字額からこの貯金額を引いた額を、援助費に回せばよいのです。
しかし、現在の家計費の黒字は月3万7000円で、年間44万4000円。夫婦の年間ボーナスは220万円ありますが、ボーナスは勤務先の業績により変動し、最悪の場合0円になることもあり得ます。そう考えると、現在の黒字額だけでは、最大年84万円の援助費どころか、貯金も計画的にできない恐れがあります。
そこで、確実に母の援助資金と老後資金を捻出できるように、家計を絞りました。
最大の支出は月14万円の住宅ローンですが、これは削れません。目をつけたのは、生命保険です。貯蓄型の変額保険を死亡保障も兼ねて加入していたのですが、自分たちに必要な保障を再考して最低限の医療保険に切り替え、一気に6万円をカットしました。そして、食費と通信費は各1万5000円程度減らし、その他日用品などの変動費も数千円ずつ削り、月計10万6000円を大幅にカットできました。
そうすると、月の黒字額は12万5000円に。そのうち月11万5000円を老後資金に回すことで、月1万円を援助にまわすことができます。援助費に必要なのは、残り72万円。さて、これをどう捻出するか。頼りは、夫婦のボーナスですが、前述したように年によって額が変動しますし、援助額そのものも大きい。
