ドコモ、au、ソフトバンクなどの格安な購入プランはどうか
たとえばソフトバンクの「新トクするサポート スタンダード」プランなら、他社からの乗り換え or 新規契約の場合、毎月652円の支払い×24回=1万5648円で「iPhone 16」128GBモデルを契約可能。「iPhone 16e」ならなんと毎月1円×24回=24円で購入可能だ。2年後に端末を返却しなければならないが(この際、端末の状態が悪い場合は2万2000円の支払いが発生)、10万円払って4~5年使うことを考えたらかなりの買い得と言えるだろう。
その後の契約は「機種変更」扱いになってしまうため、アップルストアで新品を購入した場合の6割くらいの支払い(かつ、2年後に返却)となってしまうのだが、新品を4年間使い続けるのと比べたらトータルではかなりの割安になる(しかも3年目に端末が新品に交換される)。いきなり10万円をポンと用意できない学生にもおすすめだ。
なお、こうしたプランを使わず、本体を買い切りで使いたいのであれば一括払いにせよ、分割払いにせよ、アップルストアで購入すべき。キャリアで販売されるiPhoneはどれもアップルストアで購入する場合と比べて1~2割ほど割高なのがその理由。発売から時間が経ったモデルについてはその限りではないが、2年以上、同じ端末を使い続けるのであれば原則的にはアップルストアで購入するのが最もお得なのだ。

こんな無茶な値上げをしてもiPhone一強時代は続いていく?
iPhone SEシリーズで安いモデルを使い続けていきたいというファンの願いを裏切る大幅値上げに踏み切った「iPhone 16e」。普通であれば、こんな値上げはユーザー離れを引き起こしてしまいそうだが、こと国内市場に関してはそれでもなおiPhoneを使いたいという人が多く、今後も変わらずiPhone一強状態は続いていくだろう。
特に若者の間では、友人間でのファイル共有にワイヤレスファイル共有機能「AirDrop(通称、エアドロ)」が使われることが多く、この輪に加われないことが致命的な問題になる。エアドロ非対応のAndroidスマホに写真などを送るにはLINEなどを介さざるを得ず、それで相手の「ギガ(データ通信枠)」を消費させてしまうことで関係性が悪化するリスクがあるためだ。中高生がiPhoneを欲しがるのはファッションや思い込みではなく、極めてリアルな“外交問題”であることを知っておくべきだろう。
そのほかにもiPhoneには、Macとの優れた連携性や、長期間OSアップデートを提供してくれる安心感などユーザーを強く引きつける(囲い込む)要素がとても多い。したがって、たとえ10万円にまで値上がりしてもこれまでiPhoneを使い続けてきた人はiPhoneを使い続けるだろう(使い続けざるをえない)。彼らにとってAndroidはそもそも比較対象ではない。
なればこそ、低価格な選択肢が失われたことを多くのファンが嘆いているのだ。
1975年東京都生まれ。AIやVRなどの最新のITや、PC、スマートフォン、デジタルカメラ、AV機器など、幅広くデジタル機器を愛好。一般誌から専門誌、企業オウンドメディアまで幅広く解説記事を執筆する。