マイバッグを持参するとどれくらい節約になるか
【解説】
①分解(モデル化)
=買い物1回あたりのレジ袋の枚数×レジ袋1枚あたりの金額×1週あたりの買い物回数×年間の週数
②既知のデータの活用
③各要素の推定量を決定
自身の経験などをもとに決めていきましょう。今回は次のようにしました。
・レジ袋1枚あたりの金額=3円
・1週あたりの買い物回数=5回
④計算
=買い物1回あたりのレジ袋の枚数×レジ袋1枚あたりの金額×1週あたりの買い物回数×年間の週数
=1(枚)×3(円)×5(回)×52(週)
=780(円)
⑤結果の検証
環境省の2020年の試算によるとレジ袋の流通量は年間20万トンだったそうです。レジ袋の重さは平均するとだいたい7g程度なので、300億枚くらいが流通したと考えていいでしょう。
買い物をする人口をざっと1億人と見積もると、1人あたり年間300枚程度レジ袋を使ったことになります。
上の計算では、1人あたり260枚(780円÷3円=260枚)になるので、良い推定だと言えそうです。
なお、私が出した「780円」はあくまでフェルミ推定の一例です。他の考え方も当然あり得ます。
もしあなたが別の方法で行ったフェルミ推定の結果が桁違いでなければ、それで問題ありません。
1974年、東京都生まれ。東京大学理学部地球惑星物理学科卒。大人の数学塾・永野数学塾塾長。著書に『統計学のための数学教室』『ふたたびの高校数学』『東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた数に強くなる本 人生が変わる授業』など。