※本稿は、工藤広伸『老いた親の様子に「アレ?」と思ったら』(PHP研究所)を一部編集したものです。

親の面倒をみても感謝されないときの対処法
【遠距離介護歴12年・工藤広伸さん(以下、工)】わたしは40歳で介護離職してフリーランスになって、そこから介護に関する情報発信を11年以上続けています。その発信を通して、これまでに全国の介護者のリアルな悩みをたくさん聞いてきたのですが、そのなかには「いくら親の面倒をみても『ありがとう』のひと言もない」っていう悩みが、とても多いんです。
【介護超初心者Kさん(以下、K)】わかる気がします。
【工】そうなると、親と無駄にぶつかることになって、おたがいにどんどん疲弊していくんです。
【K】そりゃ腹も立つでしょうね……。一生懸命、親の面倒をみてあげているのに。
【工】そんなときに「親の介護は自分のため」と考えられたら、親も自分も、とてもラクになるんです。Kさんは今、「面倒をみてあげている」と言いましたが、「自分のため」と思っていたら、そこは「みている」に変わっていくはずです。
【K】あっ……。上から目線の発言になっていましたね……。
【工】いえいえ。Kさんだけでなく、そう考えている人が、ほとんどだと思います。