「だらだら+ぼんやり」支出を見直すだけで4500万円

●ジム通いは本当に必要?

ここ最近、ジムに通うことが一般化し始めています。本格的にトレーニングをしていない人でも、「健康のために」と契約している人も多いと思います。

ジムに通っている(=契約している)ことを、意識の高いことだとする風潮もありますよね。

でも、考えてみてください。そのトレーニング、本当にジムに通わなければできませんか? 自宅でできるトレーニングとなんら変わらないトレーニングをするために、毎月会費を払っていませんか?

ジムのランニングマシンで走る人
写真=iStock.com/Tempura
※写真はイメージです

ランニングは公道でも可能ですし、たまには隣町までサイクリングなんてのも楽しいと思います。筋トレは自宅や公園でもできます。泳ぎたいなら公営プールを利用すれば安いです。

「ジムに通っている=意識が高い」と無条件に思い込み、ムダなお金を払い続けているのだとしたら、正直に申し上げて意識が低いと思います。フル活用するならOKですが、ぼんやり支出なら今すぐ解約しましょう。

●年会費有料のクレカは1枚でOK

特に男性に多いような気もしますが、ランクの高いクレジッドカードは、ステータスの象徴として扱われてきました。

しかし、年会費が有料のクレジッドカードを何枚も持つ必要があるでしょうか?

見栄は一銭にもなりません。メリットをよく考えましょう。そもそも支出を抑えようと考えているのですから、たくさんお金を使う体制を整える必要はありません。

また、当たり前ですが「リボ払い」は論外です。ムダな金利を払うなど、投資家としてもってのほかですよ!

これらを毎月ぼんやり支出してしまうのと、同額を積立投資するのでは、将来大きな差が出るのは目に見えています。

さて、「だらだら支出」と「ぼんやり支出」を見直した結果、およそいくらのお金を節約できたでしょうか。

先ほど、だらだら支出を見直すだけで約774万円の節約になるとご説明しました。これを年率5%で複利運用したとすると、約2716万円になるのも、前述のとおりです。

ぼんやり支出も同様に計算してみましょう。ぜんぶ合わせたら、月に1万円くらいはすぐに浮きます。ビジネスパーソン人生43年間では、516万円にもなります。これを投資に充てると仮定すると、これもまたとんでもない金額になります。

月1万円×12カ月×43年×年率5%で複利運用=1811万円

だらだら支出とぼんやり支出を見直すだけで、およそ4500万円のお金が生み出せるんです。これが年月を味方につけた複利の力であり、今すぐ投資を始めたほうがいい理由です。(以下、後編へ続く)

桶井 道(おけい・どん)
投資家(投資歴20数年)・物書き

2020年に47歳で資産1億円+年間配当(手取り・以下同)120万円とともに25年間勤務した会社を退職して自由になる。それから4年で資産1.8億円+年間配当240万円まで成長させる。投資先は世界30ヵ国の高配当株、増配株、ETF、リート、投資信託など幅広く100銘柄以上持つ。現在は、両親の介護・見守りをしつつ、単行本や連載などを通じて投資に関する情報を発信している。子ども食堂にも関わる。著書に、『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式ほったらかし米国ETF入門』(宝島社)、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)、『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)、『普通の人のための投資:いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)などがある。(プロフィールイラスト=西田ヒロコ)