シュンペーターが猛然と反論した理由
ところで、資本主義の不可避的な崩壊を予測した『資本主義・社会主義・民主主義』(*6)に対しては、その出版当時から、これをシュンペーターの「敗北主義」だとして批判する声があったようです。そういう批判に対して、シュンペーターは、同書の第2版の序文において、猛然と反論しています。
ここに、シュンペーターの精神の高貴さが表れていると思います。こういう台詞が言える人間に、是非ともなりたいものです。
*1 McCraw(2007,p.182,n.41)
*2 McCraw(2007,p.182,n.41)
*3 McCraw(2007,p.182)
*4 McCraw(2007,p.182,n.41)
*5 Freeman(1987)
*6 J・A・シュムペーター著、中山伊知郎・東畑精一訳『資本主義・社会主義・民主主義』(東洋経済新報社)1995年
1996年東京大学教養学部教養学科第三(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。2001年エディンバラ大学より優等修士号(政治理論)、2005年同大学より博士号(政治理論)取得。特許庁制度審議室長、情報技術利用促進課長、ものづくり政策審議室長、大臣官房参事官(グローバル産業担当)等を経て、現職。