弁当が3分以内に出来上がる簡単アウトソーシング
オードリーの時間管理は仕事や睡眠だけにとどまらない。毎日の弁当に使う食材の購入も専門業者にアウトソーシングすることで、自分の時間を自分でコントロールできるよう努めている。弁当の準備にはほとんど時間をかけない。せいぜい10分もあれば終わる。
2021年はじめ、オードリーのオフィスで取引企業の説明会が開かれた。それぞれのチームがクリエイティブなアイデアを発表するなか、目を引いたのは「享厨好食」というスタートアップ企業のサービスだった。栄養士が1日3食の食事プランを立ててくれるというもので、時間の節約と食生活の改善が期待できる。
オードリーが享厨好食に食材を発注すると、毎週、希望のメニューに応じ、洗ってカットした食材を自宅に配送してくれる。届いた食材を冷蔵庫に入れておくだけでいい。朝起きて、その日の弁当に使う食材を開封して鍋に入れたら、10分かからずに完成する。
最近では弁当作りにかける時間を3分以内に抑えている。「最近は混ぜるだけのメニューにしているので、ますます短時間になりました。2分か3分あれば十分です」
オードリーに言わせると、飾り切りや特別な盛りつけが必要な場合を除き、食材を切るのが自分でもほかの人でもたいした違いはない。食材の準備に自分の時間を費やす必要はないのだ。機械的な作業は専門業者に外注し、調味料の配合や食材同士の組み合わせといったクリエイティブな部分は、調理する人が自由に決めればいい。
デリバリーよりも早く効率よく健康的な食事とは
ここ数年、フードデリバリーサービスが急速に成長し、より手軽においしい料理を食べられるようになった。しかし「デリバリーでは遅いのです」とオードリーは言う。
彼女にとっては、いつでもどこでも、食べたいと思ったときにすぐに作って食べられることが大事。思ってから食べるまでの時間はとにかく短くなければいけない。専門の栄養士が下ごしらえした食材があれば、食べたいと思った瞬間にすぐ冷蔵庫から出して調理できるため、デリバリーを待つよりも早い。
「食材の準備がすんでいれば、料理の時間は短縮できます。健康な生活習慣作りにも役立つと思います」
仕事で疲れているからとデリバリーを頼む人は多い。SNSでおいしそうな料理の投稿を見ると、つい揚げ物を頼んでしまう。こういう生活は気づかないうちに体に大きな負担をかける。栄養士が選んだ食材を届けてくれたら、栄養不足や食べすぎの心配はなくなり、メンタルにもいい影響が出る。
食材を外注することは、時間の節約と健康のほかにもメリットがある。帰宅してから自分で食事の準備をすることで仕事の緊張感から解放され、リラックスできるのだ。かつては音楽を聴いたり、ネットにコメントを書いたりするのが最高のリラックス法だったが、料理することで緊張がほぐれるのを実感してから新たな習慣になった。