億万長者が少ないいまの日本には難しいこととは

世界では、お金持ちの莫大な資産が、教育や健康問題、貧困問題など社会的に重要な問題の解決に用いられる仕組みができています。日本は世界に比べて億万長者が少ないため、まだ仕組みが出来上がっていませんが、もっと豊かになれば可能でしょう。そのためには、富裕層への課税強化はすべきではないでしょう。

日本は貧しくなりつつありますが、同調圧力が強く、人目を気にして消費に回らず、富が十分に循環していないのが現状です。私は、税金の仕事を通じて長年お客様の資産を守るサポートをしていますが、富裕層のお客様のお金の使い方を見るうちに、単にお金を貯めるのではなく、いかに使うかが非常に重要であると感じています。

老後の備えも大切ですが、お金を使うタイミングも重要です。私たちはその時にしかできないお金を使うことは、長い時間をかけて「見えない資産」を積み上げ見えない資産の総和を最大化することなのです。

みなさんもお金持ちの支出哲学を取り入れてみてはいかがでしょうか。彼らの支出哲学は、単なる消費や投資にとどまらず、価値観や生き方を反映しています。これは、私たちが将来の不確かな時代を生き抜くための重要なヒントを提供してくれています。

森田 貴子(もりた・たかこ)
富裕層税務コンサルタント・税理士

税理士29年、起業21年目。山口県の起業一家に生まれ社長を支えたいと大学院卒業後25歳で税理士に。経済学修士・商学修士・MBA(豪州)。アーサーアンダーセンなど世界4大会計事務所を経て2003年会計事務所を創業。YojiYamamoto、ダイエーなど100件以上の大型再生案件を税務チームとして担当。日本有数のお金持ちの領収書1000万枚以上や申告から共通するお金の使い方と価値観を発見。栄枯盛衰を見た学びから、税金の正しい知識と自分資産を継続的に積み上げることの大切さを伝えている。明治大学や会計大学院での特別講義、東京都年収の壁セミナー講師、東京商工会議所税務相談員を務める。2023年フジテレビ「めざまし8」専門家出演。