「潤い不足」のときの、中医学的養生法
「陰虚」は潤い不足ですから、発汗を促す辛いものは避けましょう。
逆に摂取したいのは、五味の「酸」に属すもの。酸っぱいものを想像すると唾液が出るように、酸味は体の中に潤いを生むと考えられています。
不足している「陰」を補う食材、「補陰食材」の摂取は、水よりも体液に変わりやすいため、効果的。れんこんや長いも、白ごま、豆腐、牛乳、ヨーグルトなど、全般的に白っぽいものが該当することが多いです。加えて、滋養強壮効果が高い、「甘」に属す食べ物も、同時に摂るとよいでしょう。
生活習慣では、過度な発汗を促すホットヨガや長風呂等を控えましょう。
また、不眠という現状が、実は「陰虚」を加速させていることも頭に入れておいてください。
陰に属する体液と血は、人間に必要で、活動するたびに消費するものですが、睡眠中は活動量がほとんどないため、水分の消費量は減って補給量が勝るのが正常です。けれど、不眠の場合、大事な補給時間に体が活動している。
通常、日中消耗した体液や血を夜間に補給するのに、眠れないために夜間も体内の潤いを消費し続け、ますます体は「陰虚」に傾いていくというわけです。
国際中医専門員、日本中医薬研究会会員。漢方薬局の三代目として生まれ育つ。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。 これまで年間数千件の健康相談を受け、のべ4万件以上の悩みに応えてきた。相談者の話をじっくり聞き、不調の根本的な理由を探し、相談者の体質やライフスタイルに合わせたアドバイスをしている。Xで発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気を集め、フォロワー数は18万人を超える。