マインドフルネスの実践法

「具体的にはどうしたら習熟できるのでしょうか」

清水研『不安を味方にして生きる:「折れないこころ」のつくり方』(NHK出版)
清水研『不安を味方にして生きる:「折れないこころ」のつくり方』(NHK出版)

「いちばん簡単な方法は、深呼吸をすることです。その際に、おなかの皮膚の動きに意識を向けます。あるいは、鼻で呼吸をして、吸っているときの空気は冷たく、くときの息は温かくなっていることに注意を向けてもいいでしょう。こうすると、不安にうつろっている気持ちを、いったん取り戻すことができます。

そのほか、マインドフルネス・ストレス低減法やマインドフルネス認知療法といった理論が科学的にも検証されていますので、これらに基づいたグループ・レッスンに参加したり、書籍や動画などをもとに自分で取り組んだりもできます。ただ、非科学的な内容を含んだものもあるので、注意も必要です」

「自分でも少し調べてみます」

清水 研(しみず・けん)
精神科医・医学博士

1971年生まれ。金沢大学卒業後、都立荏原病院での内科研修、国立精神・神経センター武蔵病院、都立豊島病院での一般精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデント。以降、一貫してがん患者およびその家族の診療を担当する。2006年より国立がんセンター(現・国立がん研究センター)中央病院精神腫瘍科に勤務。2012年より同病院精神腫瘍科長。2020年4月より公益財団法人がん研究会有明病院腫瘍精神科部長。日本総合病院精神医学会専門医・指導医。日本精神神経学会専門医・指導医。