リサイクルショップで、少しでも高く売るためのコツ

それでは、そのような大原則(買取価格のポイントは「需要」)を踏まえたうえで、少しでも高く売るためのコツを3点紹介しましょう。

1.季節(シーズン)を意識する

たとえば、夏物の服は、春~初夏に売ることで、(それ以外の時期に売ることに比べて)高値での買取となることが多いですし、冬物の服は、秋頃に売れば、高値での買取となりやすいです。

いわゆるシーズンモノは一定の売れ行きが見込みやすく、ショップとしてはシーズン前に積極的に買取ろうとするわけですから、当然、高値買取となりやすいわけです。

すなわち、シーズンを意識することで、より高い買取が見込めるのです。

ちなみに、冒頭で「細々としたキャンプ用品一式を売った」と書きましたが、それはちょうど夏前の頃。今思えば、それはまさに絶好のタイミングだったわけで、満足な値段が付いたのも、そのタイミングの影響も大きかったと思います。

ただ、調子に乗って、次々と不要品を引っ張り出しては売っていく中で、夏本番にマフラーを売ってしまったのは失敗でした。

1万円程で買ったマフラーでしたが、その買取価格はわずか100円。これが冬前の売却であれば、もう少し高値で売れたのではないかと、いまになって後悔しております。

2.売るための仕組みの強いショップ(≒大手チェーン)で売る

ショップ側が、「(すぐに)売れる」と判断した商品は、高値買取になりやすいことは、すでに触れた通りです。ただ、実際に「売れる」かどうかは、そのショップの力量に大きく左右されます。

当然、その力量の高い(売るための仕組みがしっかりしている)ショップの方が高値買取となりやすく、そのようなショップを選びたいものです。

店舗が大きい、店舗数が多い、ネット販売に強みがあるなど、ショップによって「売るための仕組み」はさまざまですが、基本的には、大型チェーンが安心でしょう。

ちなみに先日、私はゴルフクラブセットを売りました。クラブ30本程とバッグ2個と、けっこうな量でした。

ゴルフクラブについては、「専門店の方が、しっかり査定をしてくれるだろう」と思い、買取もやっている、近所の小さなゴルフショップへ行きました。

たいしたクラブなど1本もないのに、「ひょっとしたらプレミア価格が付くかも」と、図々しくもワクワクしていたのですが、まさかの買取不可。この鉄くず同然の厳しい評価に、ガッカリ肩を落とすのでした。

ただ、このまま引き下がるのは悔しく、その足で、そしてダメ元で、いつもの大型チェーンリサイクルショップへ行きました。するとなんと、すべて買取ってもらうことができ、合計5000円以上もの値段が付いたのでした。

ゴルフクラブを選んでいる人の手元
写真=iStock.com/Kanawa_Studio
※写真はイメージです

最初に行ったゴルフ専門店は小規模で来客数も少なく、そしてその客層も玄人筋が多く、とても店頭で売れるような代物ではないと判断したのでしょう。

一方、いつものリサイクルショップには多くのお客様が訪れ、その客層も多種多様。

なので、鉄くず同然のクラブであっても、ある程度の需要はあり、売れるとの判断だったのでしょう。

※ただし、高価かつマニアックな商品であれば、リサイクルショップではなく専門店がよいでしょう

3.箱や説明書などの付属品は残しておく

これは当然と言えば当然ですが、箱や説明書などの付属品は、しっかり残しておくことです。

それら付属品があるかないかで、買取価格に大きな差がつくことは珍しくありません。

実際、前述の定価1万円のカシオGショックが5000円近くで売れたときには、「箱と説明書があったことが大きい」と店員さんも言っていました。

高く売るためのコツとしては、他にも、「少しでも早く売る」「汚れ等はふき取り、少しでも綺麗にしておく」「同種の商品は、まとめて売る」などがあります。

ちょっとしたことで、買取価格は大きく変わってくる可能性もあるので、ぜひ、意識してみてください。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。