インフレになるとお金の価値が相対的に減る
「どうして資産運用する必要があるのでしょうか」
時々、このような質問を受けることがあります。
もちろん自分の老後を考えて、少しでも多くのお金を作っておく必要があるのは言うまでもありませんが、資産運用にはもう1つ、大きな目的があります。
それは、インフレによって生じる悪影響から、自分の大事な財産を守るためです。
最近、「物価が2%上昇しました」といったニュースを見聞きすることがあると思います。このように物価が上昇することを「インフレ」と言います。
日本はバブル経済が崩壊してから、20年以上にわたって物価が下がり続けました。このように、継続的に物価が下がり続けることを、インフレの逆で「デフレ」と言います。
ところがこの1、2年で、今度はインフレの影響が私たちの生活に及ぶようになってきました。インフレが進むと、相対的にお金の価値が目減りしていきます。
たとえば1個=100円で買えるものがあったとして、それを10個買うのに必要なお金は1000円です。
では、モノの値段が1個=200円に値上がりしたら、どうなるでしょうか。同じ1000円札1枚で買えるモノの数は、10個から5個に減ってしまいます。同じ金額で買えるモノの数が減ったのですから、それだけ1000円の持つ価値が目減りしたことになります。つまり物価上昇=インフレは、お金の価値を減らしてしまうのです。
インフレからお金を守るためにも資産運用は必要
なぜ、資産運用で運用利回りを稼ぐのかというと、インフレによってお金の価値が目減りするのを防ぐためです。
たとえば、物価上昇率が年2%だとしたら、運用利回りは少なくとも年2%は欲しいところです。これでプラスマイナスゼロですから、できれば年3%、あるいは年4%くらいあれば、物価上昇率をカバーしたうえで、資産が増えることになります。
昔はそれが十分に可能でした。なぜなら、預貯金の利率が高かったからです。
たとえば1991年の日本の定期預金利率は年6.08%程度でしたが、この頃の消費者物価指数上昇率は3.3%でした。定期預金に預けておけば、消費者物価指数の上昇率を上回る利息を得ることができました。つまり、インフレによってお金の価値が目減りするのを防ぐことができたのです。
でも、今はどうでしょうか。2023年4月に1年物定期預金に預けると、その利率は年0.014%(日本銀行調べ平均金利)。2023年4月から2024年4月までの1年間で消費者物価指数は2.4%上昇(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)していますから、実質的にお金の価値は2.386%目減りしたことになります。
株式をはじめとする投資商品を用いて資産運用する必要性は、ここにあるのです。
預貯金してもお金の価値が目減りしますから、預貯金以上のリターンが期待できる投資商品で運用しなければ、お金の価値がこの先、どんどん目減りしていくことになります。
そのため、私は株式投資や不動産投資のように、高い利回りが期待できる投資商品での運用をおすすめしています。
お給与だけでなく、「収入の柱を増やして、不安を減らし人生を豊かにする」ことを目指しましょう!
1982年生まれ、広島県出身。グラビアタレントとして雑誌やバラエティ番組に多く出演。投資家の顔も持ち、「株タレント」、セミナー講師としても活躍中。ソフト補正下着のブランドを立ち上げるなど実業家としても仕事の幅を広げている。グラビアアイドルの経験を書いた自伝的小説『……and LOVE』(双葉社)は2017年に映画化。そのほかの著書に『マンガでよくわかる株1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』(かんき出版)『株は夢をかなえる道具』『不動産投資は自分らしく生きる道具』(共に祥伝社)、『お金に働いてもらう! ほったらかし投資』(ポプラ社)などがある。