お金の「効率性」は「節約」とは違う

さて、効率性は「節約」と少し違います。

お金の効率性は、無駄のない使い方をすることですが、節約は使うこと自体を抑えて我慢することです。

あまり我慢ってしたくありませんよね。

私はあまり物欲がなく、なんでもかんでも高級品を買うというタイプではありません。

そのことも結果的に節約につながっている面もあるのですが、正直、節約にどれだけの効果があるのかについては、皆さん、冷静に考えてみてもいいかもしれません。

「ちりも積もれば……」などという言葉もありますが、たとえば電気代の節約で契約アンペアを見直して月300円、待機電力の無駄をなくして月750円、冷蔵庫の設定温度を高くするなど家電の使い方を見直して月1000円、これで毎月合計2050円の節約になるなど、涙ぐましい節約をすることに、どれだけの効果があるのかを、改めて考えてみてください。

節約には収入以上の効果は期待できない

この手の節約話をする人は、結論としてこう言います。

「毎月、生活の必要経費を1万円抑えられれば年間12万円、10年で120万円の節約になります。30年で360万円だから、自動車1台分です」

私はこういう話を聞くと、気分がしらけてしまいます。

今、360万円が入ってくるなら良いのですが、30年後に入ってくる360万円に、現時点でどれだけの価値があるのか、と考えてしまうのです。

もし将来、日本の物価がどんどん上昇したら、30年後の360万円が持ちうる価値は、今受け取る360万円のそれに比べて、かなり落ちるはずです。

もう少し言うと、節約には今、得ている収入以上の効果は期待できません。

当たり前といえば当たり前の話なのですが、毎月のお給料が手取り20万円として、どれだけ頑張って節約したとしても、20万円以上のお金を残すことはできないのです。これが節約の限界であり、節約だけで資産形成をすること自体に無理があります。

でも、これに資産運用をプラスすると、効率よくお金を増やすことができます。

我慢に我慢を重ねて、節約だけで何とかしのごうとするのではなく、無駄遣いを避けたうえで残ったお金を投資に回していくという考え方をおすすめします。