お金持ちは1枚の領収書を大事にする
いかがでしたでしょうか。
人口減少、上がらない賃金、停滞する経済……東南アジアの新興国が次々と物価が上昇し発展していく半面、円安は加速し、日本は後れをとるばかりです。日本で賃金だけを頼りにお金を増やすのはほぼ不可能と言えます。お金だけが人生ではないのですが、お金を抜きに豊かさは語れません。
そして、領収書1枚1枚の見方、扱い方を真剣に取り組むからこそ、お金持ちになっているのです。
Aさんが以前所有されていたフェラーリのような高価な車も、一般的には単なる贅沢品として捉えられがちですが、お金持ちがどのような視点でお金を使っているのか、その背後にある戦略を理解していただけたでしょうか?
幸せなお金持ちは「見えない価値」を重視
冒頭で幸せなお金持ちは「見えない価値」を重視していると書きました。見えない価値はさまざまですが、今回の事例でいえば、「経験」「投資価値」「社会的責任」「ブランド」「持続可能性」などです。
ほかにも幸せなお金持ちが大事にしている代表的な「見えない価値」に「信用」があります。レピュテーションリスクという言葉を聞いたことがある人も多いと思います。ネガティブな評価が広まった結果、信用やブランド価値が低下し損失を被るリスクのことです。SNSの普及によって、悪評が広がらないためのリスク管理が重要になっています。
「信用」はコツコツと積み上げていく必要がありますが、失うときは一瞬です。お金持ちは、それをよく知っています。一度、失われた信用を回復することの難しさもビジネスを通じて知っています。
そのため、信頼を維持するための支出は必要コストだと考えています。その一つが私たち専門家への報酬です。そして、専門家の法律根拠や税務調査での経験、判例による判断に価値を置いているのです。お金持ちは1枚のレシートにもこだわります。領収書の1枚1枚を判断し、経費になるものは記帳して申告します。小さなことを大切にしているからこそお金持ちになったともいえるのです。
税理士29年、起業21年目。山口県の起業一家に生まれ社長を支えたいと大学院卒業後25歳で税理士に。経済学修士・商学修士・MBA(豪州)。アーサーアンダーセンなど世界4大会計事務所を経て2003年会計事務所を創業。YojiYamamoto、ダイエーなど100件以上の大型再生案件を税務チームとして担当。日本有数のお金持ちの領収書1000万枚以上や申告から共通するお金の使い方と価値観を発見。栄枯盛衰を見た学びから、税金の正しい知識と自分資産を継続的に積み上げることの大切さを伝えている。明治大学や会計大学院での特別講義、東京都年収の壁セミナー講師、東京商工会議所税務相談員を務める。2023年フジテレビ「めざまし8」専門家出演。